頭皮の状態にあわせたケア
正しいスカルプケアによって毛穴づまりが取れ、新陳代謝が活発になれば、育毛・発毛にとってベストな環境が整います。
地肌に塗るタイプの育毛剤・発毛剤も浸透しやすくなるため、効き目があらわれやすくなります。
そこで、抜け毛・薄毛が気になる方は、シャンプーやスカルプ・エステのあとで、育毛剤や発毛剤を使ってみるのもよいです。
「飲む育毛剤」が話題になっていますが、これには、抜け毛を招く男性ホルモンの活性化酵素を抑える「フィナステリド」という成分が含まれでいます。
使用にあたっては医師の処方が必要です。
飲む育毛剤は男性向きとされていますが、一方で女性向けの育毛剤・発毛剤も最近は充実しています。
たとえば、女性用の外用薬にも含まれているのは「ミノキシジル」という成分で、ミノキシジルには、毛細血管を拡張させて頭皮全体の血行を促す作用があります。
もともとは末梢血管拡張剤として開発された降圧剤で、高血圧治療剤として使用する患者の髪の変化から発毛効果が偶然発見されたようです。
このミノキシジルをはじめ、育毛剤・発毛別の沸き方にはかなり個人差がありますが、日頃のスカルプケアを充実させることで、相乗効果が高まることは間違いありません。
他にも、女性ホルモンを活性化させる成分が含まれたもの、女性好みの香りを取り入れたものなど、さまざまな育毛剤・発毛剤があります。
スカルプケアのあとのすっきり清潔な頭皮に使用し、効果を試してみます。
脂性肌に適したシャンプーを選ぶことはもちろん、よく洗って清潔を保つことが何より大切です。
たとえば、シャンプーのとき2度洗いするだけでも違います。
よく洗い、マッサージなどで頭皮の血行をよくして脂分の排出を促すことが、フケ予防になります。
頭皮に残ったリンスやトリートメントがベタつきの原因になることもあるので、ついてしまったら、よく洗い流します。
乾燥が気になるときは、シャンプー後、頭皮に椿油などの天然オイルを補ってみます。
「オイルケア」のところでも触れた通り、人間の皮脂と組成がよく似ているため、頭皮にもよく馴染みます。
髪の毛にはヘアクリームなどをつけて乾燥を予防します。
乾燥がひどいときは、シャンプーの回数を1日おきにして様子を見てみるのも一案です。
髪にツヤがないときは、頭皮も潤い不足ぎみになっています。
ここであえて見直したいのがブラッシングです。
ブラッシングの第一の目的は、髪のもつれをとくことと汚れを落とすことですが、頭皮を刺激したり、天然の潤い成分を毛先まで運ぶという役目も見逃せません。
毛先のもつれをといたあと、髪の根元から毛先へとブラッシングすると自然に頭皮が刺激され、マッサージ効果が期待できます。
マッサージで毛根部が活性化すれば、髪の状態もよくなっていきます。
また、ブラッシングすると頭皮から毛先へ皮脂が届けられ、髪のツヤがアップします。
毎日シャンプーする人などほとんどいなかった時代には、「100回ブラッシング」といって、シャンプー代わりに何度もブラッシングするという生活の知恵がありました。
100回すべて同じ方向にブラシを入れるのではなく、上から下、下から上と、交互にブラシを入れていくのです。
こうしてブラッシングを続けると、髪と頭皮の汚れがよく取れ、しかも、頭皮がよく温まって健康になるというわけです。
現代はシャンプーの頻度が高くなったため、ブラッシングしすぎるとかえってダメージが心配ですが、昔の人の生活の知恵には、必ず美しくなるヒントがあります。
頭皮のマッサージ効果やツヤ出し効果を見逃さず、もっとも手軽なスカルプケアの手法として、ブラッシングを取り入れていくようにします。
髪がパサついたり枝毛・切れ毛になる原因はさまざまで、紫外線やドライヤーの影響、カットの方法、パーマやカラーリングなどが考えられます。
いずれにしても、パサついた毛髪はキューティクルが損傷し、内部のタンパク質や油分、水分も失われた状態と考えられます。
そこで、シャンプーのあとは、ダメージヘア用のトリートメントやパックで十分に栄養補給する必要があります。
浸透をよくするコツは「温ケア」で、トリートメント剤などをつけたあと、蒸しタオルを頭に巻き、約5分、スチーム効果でトリートメントがよく浸透し、血行促進で頭皮の細胞も活性化します。
また、忘れてならないのが髪と頭皮の紫外線対策です。
実は毛髪は肌以上に紫外線の悪影響を受けやすく、多量に浴びると水分や栄養素が奪われてパサパサに乾燥してしまいます。
同時に頭皮の日焼けによって毛根部もダメージを受け、メラニン色素が壊されるなど、毛髪生成の自然のリズムが乱されてしまいます。
そこで、紫外線の強い時期はヘアクリームなどで髪を保護したり、帽子をかぶるなどしてしっかり予防するようにします。
特にスポーツなどで炎天下に長時間いるときは充分に注意したいものです。
顔に日焼け止めを塗るのと同じように、髪と頭皮も紫外線対策は万全にします。
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