頭頂部の皮脂バランスを保つ
女性と男性の薄毛を比較した場合、明らかな違いがみられ、女性の場合、男性型のように頭頂部が極端に薄くなったり額が後退するケースは少ないようです。
薬の副作用などを除いては、薄毛といっても極端なものではなく、全体にボリューム不足や抜け毛の多さを実感する程度のものです。
こうした違いと深く関わっているのがホルモンです。
まず、女性ホルモンには「皮脂」の過剰な分泌を抑制する働きがあります。
髪の毛根部には皮脂腺がありますが、そこから分泌される皮脂は多すぎても少なすぎても困ります。
適量の皮脂は髪に潤いを与えてくれますが、適量を超えると皮脂が毛穴を詰まらせる原因になります。
もともと頭皮は他の部位よりも皮脂腺が多く髪があって密林のような状態なので、べ夕つき、ニオイ、抜け毛、切れ毛など、さまざまな髪のトラブルを引き起こしてしまうのです。
つまり、皮脂量をバランスよく保つことが頭皮の健康には欠かせません。
そして、女性ホルモンが正しく機能すれば、この皮脂量のバランスは自然とコントロールされます。
もう一つ、女性ホルモンは「頭頂部」の発毛・育毛も支配しています。
頭頂部は女性ホルモンの管轄なのです。
「皮脂量のコントロール」機能に加え、天然の栄養剤としても働く女性ホルモンのおかげで、女性の頭頂部は薄毛になりにくいのです。
問題は、女性ホルモンの分泌が減少する更年期以降で、閉経をはさんだ前後約10年間は女性の体内環境が大きく変化する転換期で、女性ホルモンの量も減少します。
これによって頭皮の環境も変わり、「皮脂量が増える」、「抜け毛が増える」、「髪がやせたように感じる」など、目に見えた変化が起こり始めます。
50代になると抜け毛・薄毛に悩む女性が増えるのも、加齢による女性ホルモンの減少が多分に影響しています。
女性は、出産後に抜け毛が増えることがよくありますが、これも女性ホルモンのレベルが急激に下がるためです。
男性の場合はというと、男性ホルモンが皮脂分泌を旺盛にするため、抜け毛・薄毛になりやすい状態が自然と作られてしまいます。
また、男性ホルモンのテストステロンは、毛根部で毛乳頭細胞を萎縮させる物質に変換されるため、脱毛が起こりやすくなります。
男性も女性も加齢と共に頭皮の環境が変わり、皮脂分泌が増えることは必至で、頭頂部の抜け毛のリスクが高まっていきます。
そこで、できるだけ加齢現象を抑え、皮脂のバランスを維持するためにもスカルプケア・デトックスが大切になってきます。
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