動産の贈与 |
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動産の贈与 動産の贈与は、贈与契約と同時に贈与物件を引き渡してしまう現実贈与の場合が多いのですが、贈与は諾成契約ですから贈与物件の引渡しを後日にすることもできます。 しかし、引渡が後日になる場合には、贈与を撤回できないものにするために書面にしておく必要があります。 その場合の書面について、判例では、「贈与の書面には、贈与者が自己の財産を相手方に与える慎重な意思を文書を通じて確実に看取しうる程度の表現があれば足りる」としたもの、「贈与が書面によってされたというためにには、贈与の意思表示自体が書面によってなされたこと、又は書面が贈与の直接当事者間において作成され、これに贈与その他の類似の文言が記載されていることは、必ずしも必要ではなく、当事者の関与又は了解の下に作成された書面において贈与のあったことを確実に看取し得る程度の記載があれば足りる」としたものなどがあります。 また、後日に書面を作成すれば、その時から書面による贈与となります。 動産の贈与という法律行為が有効であるためには、行為者が正常な判断能力を備えていることを要します。 贈与契約当時、自己の行為結果を弁識するに足りるだけの精神能力を具備しておらず、意思能力を欠いていたとして、金銭の贈与契約が無効とされた事例があります。 書面によらない贈与は、各当事者がこれを撤回する事ができます。 しかし、履行が終わった部分については、撤回することができません。 動産の贈与について、履行が終わったとされるのは、原則として、贈与物件の引渡が完了したときです。 引渡しは現実の引渡しに限らず、簡易の引渡し、占有の改定、指図による占有の移転でもよいとされています。 民法第182条(簡易の引渡し) 1. 占有権の譲渡は、占有物の引渡しによってする。 2. 譲受人又はその代理人が現に占有物を所持する場合には、占有権の譲渡は、当事者の意思表示のみによってすることができる。 民法第183条(占有の改定) 代理人が自己の占有物を以後本人のために占有する意思を表示したときは、本人は、これによって占有権を取得する。 民法第184条(指図による占有の移転) 代理人によって占有をする場合において、本人がその代理人に対して以後第三者のためにその物を占有することを命じ、その第三者がこれを承諾したときは、その第三者は、占有権を取得する。 贈与者は、目的物件である動産を移転する義務を負っていますが、担保責任を負わないことを原則とします。 しかし、贈与者がその瑕疵又は不存在を知りながら、その旨を受贈者に告げなかったときは、例外として担保責任を負うことになります。 無料法律相談はこちら Amazonで相続を調べる |
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