死亡危急者遺言書作成 |
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死亡危急者遺言書作成 死亡危急者遺言は、疾病その他の事由によって死亡の危急に迫った者が証人3人以上の立会いをもって、その1人に遺言の趣旨を口授します。 この場合には、その口授を受けた者が、これを筆記して、遺言者および他の証人に読み聞かせ、または閲覧させ、各証人がその筆記の正確なことを承認した後、これに署名押印しなければなりません。 死亡危急者遺言の作成要件は次になります。 @遺言者が疾病その他の事由によって死亡の危急が迫っていること。 「死亡の危急に迫った」というのは、必ずしも医学的、客観的に死亡の危急が切迫していることは必要ではなく、遺言者が主観的に自己の死亡の危急が迫っているものと自覚したときでも、また、周囲の遺言者の病状、負傷、老衰の程度から死期が近いと判断されたときでもよいと解されています。 その原因は、病気、負傷、老衰など何であるかを問いません。 A証人3人以上の立会いがあること。 証人の欠格事由については、普通方式の遺言の場合と同様です。 証人は、筆記の正確なことを承認して署名押印をしなければなりませんから、署名押印のできない者は証人となることはできません。 証人は、全員がそろって終始継続して立ち会っていなければなりません。 証人が中座して1人しか立ち会っていない場合に筆記がなされたときは、方式違背として無効となります。 また、3人の適格者の証人のほかに、推定相続人や受遺者といった遺言に直接利害関係のある証人欠格者が立ち会って、口授を筆記したり、読み聞かせたりして、その遺言全般にわたって主導的な働きをしたような場合は、この欠格者によって遺言者や他の証人が牽制される危険性が多いため、その遺言を無効とするとされています。 B遺言者が遺言の趣旨を証人1人に口授すること。 遺言作成当時、遺言の趣旨を口授する能力のない者のなした口授は、遺言者の真意に出たものとは認められませんから、その遺言は無効になります。 C口授を受けた証人が、これを筆記して、遺言者および他の証人に読み聞かせ、または閲覧させること。 口授方式による危急時遺言でも、遺言者の口授がそのまま遺言にはなりません。 遺言者の口授を受けた証人がこれを筆記しなければなりません。 筆記は、遺言者の意思に忠実でなければなりませんが、口授そのままでなくても、その意味が口授の趣旨に合致していれば差し支えありません。 読み聞かせは、筆記の内容が正確であることを遺言者および他の証人に知らせるためのものですから、筆記した遺言の全文にわたらなければなりません。 D各証人が筆記の正確なことを承認した後、署名押印すること。 各証人は筆記が正確である場合には、これを承認します。 承認したことを遺言書に記載する必要はありません。 承認するのは、公正証書遺言と異なり証人だけです。 遺言者に要求されないのは、死亡の危急が迫っているので、筆記が正確か否かの判断ができない場合が多いからです。 署名押印するのも証人だけです。 また、証人の署名押印は、遺言者の現存しない場所でされても構いません。 死亡危急者遺言の日付の記載は、要求されていません。 それは、遺言がなされた日は、立ち会った証人によって立証できますし、家庭裁判所の確認手続の過程で明確にできるからです。 筆記についての加除変更については、自筆証書遺言と同様の方式になります。 ただし、筆記した証人の付記と署名押印のほかに、各証人の署名押印を要します。 成年被後見人も、本心に復していれば、死亡危急者遺言をすることができます。 ただし、医師2人以上の立会いを要することは普通方式の遺言と同じです。 死亡危急者遺言は、死亡の危急に迫った者がなした口頭遺言の内容を証人が筆記したものですから、これが果たして遺言者の真意を間違いなく、正確に筆記されているかどうかを明確にする必要があります。 そこで、民法は、この遺言書作成当時の状況を証人その他の人の記憶が薄れないうちに、証人の1人または利害関係人から家庭裁判所に請求して確認を得なければ、その効力を生じないとしました。 @申立権者 立会い証人の1人または利害関係人に限ります。 利害関係人とは、審判の結果につき法律上直接の利害関係を有する者をいいます。 例えば、推定相続人、受遺者、遺言執行者などです。 A申立期間 遺言者の生死に関係なく、「遺言の日から20日以内」に確認の請求をしなければなりません。 遺言の日とは、遺言者の口授から証人の署名押印までの遺言の作成要件が完了した日です。 申立期間は、この遺言の日の翌日から起算します。 B管轄 遺言者の生存中はその住所地、死亡後は相続開始地の家庭裁判所。 C申立費用 申立手数料遺言書1通につき収入印紙800円、郵便切手800円分。 D添付書類 遺言書の写し。 遺言者・立会い証人・申立人の各戸籍謄本および住民票。 医師の診断書。 死亡危急者遺言は、遺言者が普通方式の遺言をすることができるようになった時から6ヶ月間生存するときは、その効力を生じません。 死亡危急者遺言は、疾病その他の事由のある場合に限って許される簡略な方式であり、遺言者の真意の確保や遺言の真正を期するという点では不確実です。 そこで、特別の事情がなくなった場合には、遺言を確実にするために厳格な普通方式の遺言をすることが望ましいからです。 普通方式の遺言をすることができるようになった時とは、疾病その他の事由による死亡の危急を免れてた時です。 6ヶ月の期間については、停止や中断が認められていないので、この期間が満了すれば無条件で特別方式の遺言は失効します。 よろしければお気軽にご相談ください。 無料法律相談はこちら Amazonで相続を調べる |
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