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<公正証書遺言>

□公正証書とは

「契約の成立や一定の事実を公証人が実際に体験したり、又は当事者から聞いて、それに基づいて公証人が作成する書類」をいいます。

□公証人とは

国家公務員で、元裁判官や元検察官や元弁護士などの法律家です。

□公証役場とは

法務局の管轄のお役所です。

□遺言とは

人が死後に効力を発生させることを目的として、身分上及び財産上のことについて書き残したものをいいます。

□遺言の要式

人が生前に書き残したものが全て遺言として効力を有するのではなく、民法の定める要式に従ったものだけが効力を認められます。

□民法の定める遺言の方式

普通方式と特別方式があります。

普通方式には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言があります。

特別方式は、疾病その他の事由によって死亡の危急に迫った者の遺言、伝染病のため行政処分によって交通を断たれた場所にある者の遺言、在船者の遺言、などをいいます。

□自筆証書遺言

遺言者がその全文、日付及び氏名を自署し、押印します。

□秘密証書遺言

遺言者が署名、押印した遺言書を封書にして公証人に提出します。

公証人が、その証書を提出した日付及び遺言者の申述を封紙に記載した後、遺言者及び証人とともにこれに署名し、印を押します。

*、公証人はその者の遺言であることの認証をするだけで遺言書の作成には関与しません。

□公正証書遺言

2人以上の証人の立会いをつけて、遺言の趣旨を口授し、これを公証人に筆記してもらったうえ読み聞かせてもらい筆記の正確なことを承認したうえ、署名押印します。

主な特徴は、遺言の滅失、偽造、変造のおそれがない。

家庭裁判所の検認を受けなくてよい。

□検認とは

自筆証書遺言、秘密証書遺言を保管している人、あるいは発見した人は遅滞なくこれを家庭裁判所に提出して、その検認を請求しなければなりません。

具体的には、遺言書が遺言の方式に合ったものであるかどうかを確認するもので、中身の有効・無効を判断するものだはありません。

遺言書の証拠保全手続をいいます。

□遺言事項

<身分に関するもの(認知)>

遺言による認知は、法律上、遺言執行者が届出をしなければならず、他の相続人による届出はできません。

つまり、遺言で認知をするには、遺言執行者を定めておく必要があります。



<相続に関するもの>

@推定相続人の廃除又は廃除の取消

推定相続人を廃除又は廃除を取り消すには、家庭裁判所に申立をしなければなりません。

この申立は、遺言執行者のみが行えます。

A相続分の指定

遺言により、法定相続分とは異なる相続分を指定することができます。

B遺産分割方法の指定

相続人が遺産分割協議をする際のガイドラインを定めておきます。

C特別受益の持ち戻しの免除

相続人のうち特定の者に生前贈与があった場合には、それを財産の前渡し(特別受益)とみなし、相続分の算出にあたり贈与を受けた者の相続分を減少させる(持ち戻し)ことにより相続人間の公平を計ります。

持ち戻しが免除されると、特別受益はないものとして相続分が算出されます。

D遺産分割の禁止

遺言により、5年を限度として遺産分割を禁止することができます。

また、禁止の理由には特に制限はありません。

相続人は、禁止された期間内は、一切の遺産分割ができなくなります。

E遺留分減殺方法の指定

兄弟姉妹を除く法定相続人には、最低限度の割合の遺産(遺留分)が保証されています。

しかし、遺留分を侵害する遺言をしたとしても無効となるわけではなく、遺留分取り戻しの請求(減殺請求)がされて初めて減殺される(取り戻される)ことになります。

<遺産処分に関するもの(遺贈)>

遺贈とは、遺言により財産の全部又は一部を処分することで、遺留分を侵害しない限り自由に行うことができます。

遺贈を受ける者(受遺者)は相続人でも、それ以外の第三者でもかまいません。
つまり、受遺者イコール相続人とは限りません。

通常、相続人に財産を与える場合には、「相続させる」としそれ以外の第三者に場合には、「遺贈する」とします。

遺贈には、次のものがあります。

特定遺贈とは、特定の具体的財産を遺贈することです。

包括遺贈とは、遺産の全部又は一部を一定の割合(1/2,1/3など)で遺贈することです。

遺贈には、条件又は期限を付けることもできます。

「相続させる」と「遺贈する」では、特に不動産を与える場合に大きな違いが生じます(所有権移転登記)。

第三者に対して所有権を主張する(対抗要件)場合には、「遺贈」では、登記をしないと対抗できませんが、「相続」では登記なしで対抗できます。

所有権移転を登記する場合には、「遺贈」では他の相続人全員と共同で申請しなければなりませんが、「相続」では相続人が単独で申請できます。

<遺言執行に関するもの(遺言執行者の指定)>

遺言事項の中には、遺言執行者しか実行できないものがあります。

つまり、遺言で認知及び推定相続人の廃除又は廃除の取消をするには、必ず遺言執行者が必要となり、遺言で指定されていなければ、利害関係人が家庭裁判所に選任を請求することになります。

遺言執行者は、相続人の代理人とみなされ、相続財産の管理・処分について一切の権限を有します。

つまり、遺言執行者がいる場合には、相続人は相続財産を処分できなくなり、もし勝手に処分したとしても、その行為は絶対無効とされます。

□遺留分とは

一定の相続人に相続財産の一定割合の承継を保証したものをいいます。

遺留分の割合は、法定相続分の1/2で、直系尊属は1/3で、兄弟姉妹には遺留分はありません。

相続分の指定について、民法では「被相続人は遺留分に関する規定に違反することができない」ときていされている。

遺留分を侵害した遺言だとしても、遺留分に関する規定に違反する相続分の指定を無効とするものではなく、後に遺留分権利者が減殺請求権を行使し、遺留分を侵害してる分の財産あるいはその価額の交付を求めることができます。

□用意するもの

@遺言者の印鑑証明書又は運転免許証

A証人2人

未成年者、推定相続人及びその配偶者並びに直系血族は証人になれません。

証人は印鑑のみ持参します。

印鑑証明書は必要ありません。

B相続人及び受遺者の住民票

C不動産登記簿謄本

D財産目録

E戸籍謄本

F固定資産税評価証明書

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