未成年後見人辞任許可審判
未成年後見人(未成年後見監督人)がその任務を辞するにつき家庭裁判所の許可を要するのはその任務が公益性を有するためとされています。
辞任するには正当事由のあることを要しますが、その事由として一般的には、次の場合になります。
@後見人が被後見人の住所地外において職務に従事すること
A先順位者の欠格事由の消滅
B疾病、老齢
C多くの子の親権者であること
D本人又はその親族との間に不和が生じたことなどがこれに当たるとされています。
民法844条に基づく後見人辞任許可審判申立事件は、甲類審判事項です。
後見監督人辞任許可も同様です。
(後見人の辞任)
民法第844条 後見人は、正当な事由があるときは、家庭裁判所の許可を得て、その任務を辞することができる。
@申立権者
後見人(後見監督人)です。
A管轄
被後見人の住所地の家庭裁判所です。
B添付書類
申立人、被後見人の戸籍謄本、住民票
C辞任の正当事由の有無が審理されます。
辞任許可の審判は、後見人(後見監督人)に告知されて効力を生じます。
裁判所書記官は、未成年後見人(未成年後見監督人)の辞任許可の審判が効力を生じたときは、遅滞なく、被後見人の本籍地の戸籍事務管掌者に戸籍の記載を嘱託しなければなりません。
戸籍事務管掌者は、右嘱託に基づき戸籍にその旨を記載します。
後見人が辞任したことによって、新たに後見人を選任する必要が生じたときは、辞任した後見人は、遅滞なく後任の後見人の選任を家庭裁判所に請求しなければならないことになっています。
(辞任した後見人による新たな後見人の選任の請求)
民法第845条 後見人がその任務を辞したことによって新たに後見人を選任する必要が生じたときは、その後見人は、遅滞なく新たな後見人の選任を家庭裁判所に請求しなければならない。
戸籍法上、後見人辞任の届出の規定はありません。
後任未成年後見人は就職の日から10日以内に未成年後見人更迭届をすることとされています。
未成年後見監督人が辞任したときは、10日以内に未成年後見監督人任務終了届をします。
未成年後見監督人任務終了届未了のうちに後任未成年後見監督人が選任されたときは、後任者が就職の日から10日以内に未成年後見監督人更迭届をします。
無料法律相談はこちら
Amazonで相続を調べる
|
|