相続承認・放棄の起算点 訴状送達時
相続人は、被相続人と折り合いがよくなかったこと、被相続人の遺産はあると考えられていたが、これに相続することは念頭になかったこと、本件債務は第三者間の保証債務であり、その存在を知らなかったことなどの事情がある場合、訴状送達を受けてから1年余り後にされた相続放棄の申述に対して熟慮期間の起算点を本件相続債務請求の訴状送達時と解し、申述人の第一審判決が相続債務の存在を確定した時とする主張を排斥して、申述を却下した事例があります。
相続人は、被相続人と深い交際がなく、葬儀の際、財産状態の説明も受けなかった場合、起算点を相続債務請求の訴状送達時と解した事例があります。
被相続人が死亡してから1年9ヶ月余り経過後の相続放棄申述受理申立却下審判に対する即時抗告審において、抗告人らは被相続人が死亡した当時から同人名義の不動産のあることを認識していたものの、被相続人の生前からこれらの一切を長男が取得することで合意していたから、これが相続の対象財産となる遺産であるとの認識はなかったとして、申述人らに対する被相続人の連帯保証債務請求訴状の送達日を熟慮期間進行の起算日とする相続放棄申述受理申立を却下した原審判を取消して申述を受理した事例があります。
相続人は相続財産が全くないと信じていたこと、相続債務が宅地建物取引主任者としての責任に伴う債務である場合、起算点を当該相続債務請求の訴状送達時と解した事例があります。
起算点を公正証書謄本送達時と解した事例があります。
(相続の承認又は放棄をすべき期間)
民法第915条 相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。
2 相続人は、相続の承認又は放棄をする前に、相続財産の調査をすることができる。
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