共有持分権の第三者への譲渡
共同相続人の1人から遺産を構成する特定不動産の共有持分権を譲り受けた第三者は適法にその権利を取得することができ、右不動産を他の共同相続人と共同所有する関係は、民法の共有としての性質を有し、右第三者が右共同所有関係の解消を求める方法として裁判上とるべき手続は遺産分割審判ではなく、共有物分割訴訟であるとされています。
(遺産の分割の協議又は審判等)
民法第907条 共同相続人は、次条の規定により被相続人が遺言で禁じた場合を除き、いつでも、その協議で、遺産の分割をすることができる。
2 遺産の分割について、共同相続人間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、各共同相続人は、その分割を家庭裁判所に請求することができる。
3 前項の場合において特別の事由があるときは、家庭裁判所は、期間を定めて、遺産の全部又は一部について、その分割を禁ずることができる。
(裁判による共有物の分割)
民法第258条 共有物の分割について共有者間に協議が調わないときは、その分割を裁判所に請求することができる。
2 前項の場合において、共有物の現物を分割することができないとき、又は分割によってその価格を著しく減少させるおそれがあるときは、裁判所は、その競売を命ずることができる。
共同相続人が譲受人である第三者及び他の共同相続人を被告とする特定不動産の共有物分割訴訟についても、共有物分割訴訟確定後に相続人は遺産分割審判により終局的に相続による共有関係の解消が得られると解した事例があります。
同様の事案で共有物分割訴訟は、第三者が共同所有関係の解消を求める場合の方法と解して、共同相続人による他の共同相続人及び第三者を被告とする共有物分割の訴えを却下した事例があります。
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