遺産分割調停の成立
調停委員会による調停の結果、当事者間に合意が成立し、これを調書に記載したときは、調停が成立したものとし、その記載は確定した審判と同一の効力を有し、遺産分割が確定します。
執行が完了し、執行力のある債務名義の正本に表示された請求権が全部満足された後においては、執行文付与に対する異議の訴えは、訴えの利益がないので不適法とされます。
複数の調停条項のうち、特定の権利義務だけ定めた条項だけを取り上げて、請求異議の訴え等によりその債務名義の効力を争い、あるいは当該条項に基づく特定の権利義務を負わないことの確認を求めることも場合により許されないのではないが、本件条項は、いわゆる清算条項であって、特定の権利義務を定めたものではなく、したがって、本件条項のみの無効を確認しても、これによって、当事者間の特定の権利義務の存否や法律関係が確定するわけではないから、特段の事情のない限り確認の利益はないので、不適法とされてます。
本件では、特段の事情として、別件調停事件において、被控訴人に対し、改めて離婚に伴う財産分与につき調停をするため、本件条項の無効を確認する利益があるとの控訴人の主張には、本件条項があっても、当事者間において新たな合意をすることは自由であり、それだけでは確認の利益があるとはいえないし、また、別件調停事件において新たな合意が成立しない場合には、控訴人の財産分与請求権は、離婚の時から2年を経過しているので、本件条項の有効無効にかかわらず、消滅しているため、審判手続においてその請求権を主張することはできず、その場合においても確認の利益がないとされました。
遺産分割の調停において、遠隔地に居住する等の理由により、期日に出頭することが困難であると認められる当事者が、あらかじめ調停委員会又は家庭裁判所から提示された調停条項を受諾する旨の書面を提出した場合、調停委員会がその書面を提出した当事者の真意を確認し、他の当事者が期日に出頭して、当該調停条項を受諾したときは、当事者間に合意が成立したものとみなされます。
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