相続財産の保存・管理処分
相続承認・放棄の考慮期間中、相続人が管理義務を尽くさないときや、共同相続人間において紛争が原因で遺産の管理方法につき意見が一致しないとき、その他の相続財産の価値を減ずるおそれの生じた場合、家庭裁判所は、相続債権者、相続人、次順位の相続人など法律上の利害関係を有する者、及び公益の代表者である検察官の請求により、いつでも、相続財産の保存に必要な処分を命ずることができます。
(相続財産の管理)
民法第918条 相続人は、その固有財産におけるのと同一の注意をもって、相続財産を管理しなければならない。ただし、相続の承認又は放棄をしたときは、この限りでない。
2 家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求によって、いつでも、相続財産の保存に必要な処分を命ずることができる。
3 第27条から第29条までの規定は、前項の規定により家庭裁判所が相続財産の管理人を選任した場合について準用する。
この処分は、相続人が相続の承認・放棄を選択するまで申立をすることができます。
相続人が相続を承認して自ら相続財産を管理することができるようになったとき、管理人を選任した家庭裁判所は、相続人又は利害関係人の申立によって、命じた処分を取消すことになります。
この申立は、家事雑事件として立件されます。
この管理処分取消の審判は、事情の変更を理由にしてされるものであって、その効力は将来に向かってのみ生じ、遡及効はありません。
管理中管理人が第三者に対してした行為及び第三者が管理人に対してした行為は、相続人に対してその効力を有します。
家庭裁判所は、相続財産の中から相当額の報酬を管理人に与えることができます。
報酬付与の審判は、甲類審判事項です。
その申立権者は管理人であり、通常、管理事務の終了報告をする頃にその申立をします。
相続人が相続を承認して自ら相続財産を管理することができるようになったとき、管理人は相続に対して、相続財産を引き渡し、かつ、相続財産の収支を計算してその結果を相続人に報告しなければなりません。
家庭裁判所にも計算書を添付して、管理終了の報告をします。
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