包括遺贈の限定承認




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包括遺贈の限定承認

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包括遺贈の限定承認

包括受遺者は相続人と同一の権利義務を有しますから、包括遺贈の承認も、相続の場合に準じます

(包括受遺者の権利義務)
民法第990条 包括受遺者は、相続人と同一の権利義務を有する。


包括受遺者は、包括遺贈の限定承認をすることができますが、ほかに相続人や包括受遺者がある場合には、これらの者と共同してしなければなりません

(共同相続人の限定承認)
民法第923条 相続人が数人あるときは、限定承認は、共同相続人の全員が共同してのみこれをすることができる。


包括受遺者が3ヶ月の熟慮期間内に限定承認又は放棄をしないと、包括受遺者を単純承認をしたものとみなされます。

(法定単純承認)
民法第921条 次に掲げる場合には、相続人は、単純承認をしたものとみなす。
1.相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき。ただし、保存行為及び第602条に定める期間を超えない賃貸をすることは、この限りでない。
2.相続人が第915条第1項の期間内に限定承認又は相続の放棄をしなかったとき。
3.相続人が、限定承認又は相続の放棄をした後であっても、相続財産の全部若しくは一部を隠匿し、私にこれを消費し、又は悪意でこれを相続財産の目録中に記載しなかったとき。ただし、その相続人が相続の放棄をしたことによって相続人となった者が相続の承認をした後は、この限りでない。


民法990条、924条に基づく包括遺贈の限定承認の申述は甲類審判事項です。

(限定承認の方式)
民法第924条 相続人は、限定承認をしようとするときは、第915条第1項の期間内に、相続財産の目録を作成して家庭裁判所に提出し、限定承認をする旨を申述しなければならない。


包括遺贈の限定承認の申述をするには、財産目録を調製し、申述書とともに家庭裁判所の差し出さなければなりません。



@申立権者

包括受遺者全員です。

A管轄

相続開始地の家庭裁判所です。

B申述期間

申述人が自己のために包括遺贈のあったことを知った時から3ヶ月以内です。

C添付書類

相続人、包括受遺者及び被相続人の戸籍謄本

財産目録

遺言書の写し

D審判手続

家庭裁判所は、申述が法定期間内にされているか、相続人、包括受遺者の全員が申述人になっているか、財産目録が提出されているかなどを職権で調査し、また、申述人の真意を確認します。

家庭裁判所が申述を受理するときは、申述書にその旨を記載し、家事審判官がこれに署名又は記名し、押印します。

家庭裁判所は、数名の申述人による限定承認の申述を受理したときは、職権で申述人の中から相続財産の管理人を選任しなければなりませんが、申述人らはその候補者を推薦することができます。

限定承認は、家庭裁判所の申述受理により効力を生じます。

相続人・包括受遺者又は利害関係人は、申述を却下する審判に対して即時抗告をすることができます。

相続人が相続を単純承認した後に包括遺贈の遺言書が発見された場合、受遺者は、その包括遺贈を限定承認することはできず、単純承認又は放棄のいずれかを選択することになります。

遺言書発見のとき、相続につき、考慮期間を徒過している場合でも、単純承認した事実がなければ、相続人は包括受遺者と共同して限定承認をすることができると解されます。

相続人が限定承認している場合は、包括受遺者も限定承認できるとされます。

この場合、包括受遺者が包括遺贈を単純承認したときは、相続人のした限定承認は無効となるのではなく、包括受遺者が民法937条の責任を負うことになると解されます。

(法定単純承認の事由がある場合の相続債権者)
民法第937条 限定承認をした共同相続人の一人又は数人について第921条第1号又は第3号に掲げる事由があるときは、相続債権者は、相続財産をもって弁済を受けることができなかった債権額について、当該共同相続人に対し、その相続分に応じて権利を行使することができる。


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