相続の対象とならない権利義務(自動車損害賠償)
内縁の配偶者が他方の配偶者の扶養を受けている場合、その他方の配偶者が保有者の自動車の運行によって死亡したときは、内縁の配偶者は、自己が他方の配偶者から受けることができた将来の扶養利益の喪失を損害として、保有者に対してその賠償を請求できるというべきであるから、内縁の配偶者は、自動車損害賠償保障法72条1項にいう「被害者」に該当しますが、政府が、同項に基づき、保有者の自動車の運行によって死亡した被害者の相続人の請求により、死亡による損害をてん補すべき場合において、政府が死亡被害者の内縁の配偶者にその扶養利益の喪失に相当する額を支払い、その損害をてん補したときは、てん補額は相続人にてん補すべき死亡被害者の逸失利益の額からこれを控除します。
民法第896条
相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。
自動車損害賠償法第七十二条
1 政府は、自動車の運行によつて生命又は身体を害された者がある場合において、その自動車の保有者が明らかでないため被害者が第三条の規定による損害賠償の請求をすることができないときは、被害者の請求により、政令で定める金額の限度において、その受けた損害をてん補する。責任保険の被保険者及び責任共済の被共済者以外の者が、第三条の規定によつて損害賠償の責に任ずる場合(その責任が第十条に規定する自動車の運行によつて生ずる場合を除く。)も、被害者の請求により、政令で定める金額の限度において、その受けた損害をてん補する。
2 政府は、第十六条第四項又は第十七条第四項(これらの規定を第二十三条の三第一項において準用する場合を含む。)の規定による請求により、これらの規定による補償を行う。
3 前二項の請求の手続は、国土交通省令で定める。
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