特別受益となる処分
@遺贈
遺贈は、すべて持ち戻し計算の対象になります。
A生前贈与
持ち戻し計算の対象になる生前贈与は、婚姻、養子縁組のため受けた贈与及び生計の資本として受けた贈与です。
B生命保険金
生命保険金については、次の事例があります。
●被相続人が死亡時までに払い込んだ保険料の保険料全額に対する割合を保険金に乗じて得た金額が持ち戻し計算の対象になるとした事例
●原則として特別受益と解すべきであるが、相続人の地位、共同相続人間の身分関係、被相続人と相続人との生活関係の実態等を勘案し、特別受益とすることがかえって共同相続人間の実質的公平を欠き、生命保険金の有する受給者の生活保障機能を没却するような場合には、特別受益とすべきではないとした事例
●生命保険契約において、保険金受取人が単に「相続人」と指定されたときは、特段の事情がない限り、被保険者死亡の時における相続人たるべき者を受取人とした「他人のための保険契約」であり、本件において特段の事情は見いだしがたく、また、この保険契約は、被相続人が、相続人らを受取人として指定した「第三者のためにする契約」であるから、相続人らは被相続人の死亡により、契約に基づく保険金請求権を固有の権利として原始的に取得したものであり、保険契約の締結は、文理上、民法1044条、903条所定の遺贈又は贈与に該当せず、かつ、その保険金受取人に指定された相続人らが相続に関係なく保険金請求権を取得することが被相続人の契約意思に合致するから、受け取った保険金は特別受益財産に当たらないと解した事例
民法第1044条
第887条第2項及び第3項、第900条、第901条、第903条並びに第904条の規定は、遺留分について準用する。
民法第903条
1 共同相続人中に、被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし、前3条の規定により算定した相続分の中からその遺贈又は贈与の価額を控除した残額をもってその者の相続分とする。
2 遺贈又は贈与の価額が、相続分の価額に等しく、又はこれを超えるときは、受遺者又は受贈者は、その相続分を受けることができない。
3 被相続人が前2項の規定と異なった意思を表示したときは、その意思表示は、遺留分に関する規定に違反しない範囲内で、その効力を有する。
C死亡退職金
死亡退職金については、次の事例があります。
●特別受益であるとした事例
●原則として特別受益と解すべきであるが、相続人の地位、共同相続人間の身分関係、被相続人と相続人との生活関係の実態等を勘案し、特別受益とすることがかえって共同相続人間の実質的公平を欠き、死亡退職金の有する受給者の生活保障機能を没却するような場合には、特別受益とすべきではないとした事例
Dその他
特別受益に当たるとされたもの
●弔慰金(ちょういきん)
●役員功労金
特別受益に当たらないとされたもの
●公務災害補償金
●慰霊金
●遺族年金
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