遺産管理者選任審判
推定相続人廃除の遺言が効力を生じた場合、相続人は、そのことによって、当然に相続人の地位を失うわけではありません。
また、推定相続人廃除を取り消す遺言が効力を生じた場合、被廃除者は、そのことによって、当然に相続人の地位を回復するわけではありません。
この場合、家庭裁判所の推定相続人廃除又はこれを取り消す審判が確定したときに、相続人の地位を喪失又は回復します。
推定相続人廃除又はその取消の効力は、相続開始の時に遡りますから、この場合に生ずる表見相続人にからんだ相続財産をめぐる混乱を防止するために、家庭裁判所は、遺産の管理に関する処分をすることができるものとしています。
民法第895条
推定相続人の廃除又はその取消しの請求があった後その審判が確定する前に相続が開始したときは、家庭裁判所は、親族、利害関係人又は検察官の請求によって、遺産の管理について必要な処分を命ずることができる。推定相続人の廃除の遺言があったときも、同様とする。
民法895条に基づく遺産の管理に関する処分は、甲類審判事項です。
@申立権者
被相続人の親族、法律上の利害関係人、検察官です。
A管轄
相続開始地の家庭裁判所です。
B添付書類
申立人、相続人及び被相続人の戸籍謄本
遺産管理人候補者の戸籍謄本及び住民票
遺産目録
遺言書の写し
遺言執行者の資格証明書
C審判手続
家庭裁判所は、管理者の選任その他遺産の管理に関する処分を命じます。
遺産管理者が選任されるのは、将来確定されるべき相続人の法定代理人として、包括的に遺産管理をさせることが適当な場合が多いからです。
遺産管理者選任の審判は、管理人に告知されることによってその効力を生じます。
遺産管理人を選任した場合、家庭裁判所は、相続人に対してその旨を通知します。
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