認知無効調停
認知無効調停申立は、任意認知が無効であることを主張して、当初から法律上の認知としての効力を消滅させることを家事審判で求めるものです。
認知によって生じた親子関係を否定するには、認知無効の裁判によらなければならず、親子関係存在確認の裁判によることはできません。
親子関係は身分関係の基本となる法律関係であり、認知に係る親子関係が真実に反するときは、認知によって生じた法律効果について存在する現在の法律上の紛争の解決のために、被認知者には、当該親子関係が存在しないことを確定する法律上の利益があるから、認知者が死亡した後であっても認知無効の訴えを提起することができ、この場合、認知無効の相手方となる地位は、婚姻の無効・人事訴訟手続法2条3項の規定を類推適用して、認知者が死亡した後の認知無効の訴えは検察官を相手方とするとされています。
人事訴訟手続法第二条
1.夫婦ノ一方カ提起スル婚姻ノ無効又ハ取消ノ訴ニ於テハ其配偶者ヲ以テ相手方トス
2.第三者カ提起スル前項ノ訴ニ於テハ夫婦ヲ以テ相手方トシ夫婦ノ一方カ死亡シタル後ハ其生存者ヲ以テ相手方トス
3.前二項ノ規定ニ依リテ相手方トスヘキ者カ死亡シタル後ハ検察官ヲ以テ相手方トス
4.検察官カ当事者ト為リタル後相手方カ死亡シタルトキハ本案ノ訴訟手続受継ノ為メ裁判所ハ弁護士ヲ承継人トシテ選定スルコトヲ要ス
5.前項ノ場合ニ於テハ裁判所ハ弁護士ニ報酬ヲ与ヘシムルコトヲ得其額ハ裁判所ノ意見ヲ以テ之ヲ定ムヘシ
6.第一項及ヒ前三項ノ規定ハ離婚ノ取消ノ訴ニ之ヲ準用ス
認知の無効原因は、認知が認知者の意思によらないこと、認知が真実に反し認知者と被認知者との間に血縁関係がないことです。
血縁上の父子関係がないのにされた認知の無効は、認知者自身も主張することができます。
認知無効の対象となるのは、任意認知だけです。
判決又は審判による認知が無効である場合は、再審の手続で争うのは格別、もはや認知無効の訴えを提起し又は認知無効の調停を申し立てることはできません。
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