推定相続人廃除調停申立




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推定相続人廃除調停申立

民法892条に基づく推定相続人廃除申立は、乙類9号の事項です。

民法第892条 

遺留分を有する推定相続人(相続が開始した場合に相続人となるべき者をいう。以下同じ。)が、被相続人に対して虐待をし、若しくはこれに重大な侮辱を加えたとき、又は推定相続人にその他の著しい非行があったときは、被相続人は、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求することができる。


@申立権者

生前廃除の場合は被相続人です。

被相続人が被廃除者の法定代理人であるときは、特別代理人の選任が必要です。

民法第826条 

1.親権を行う父又は母とその子との利益が相反する行為については、親権を行う者は、その子のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない。
2.親権を行う者が数人の子に対して親権を行う場合において、その一人と他の子との利益が相反する行為については、親権を行う者は、その一方のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない。


A管轄

相手方の住所地の家庭裁判所又は当事者が合意で定める家庭裁判所です。

B添付書類

申立人・相手方の戸籍謄本

C調停手続

調停委員会は、当事者の主張を聴くとともに、職権で必要な事実の調査及び証拠調べなどを行ないます。

その結果、当事者間に推定相続人廃除の合意が成立し、これを調書に記載したときは、調停が成立したものとし、その記載は確定した審判と同一の効力を有します。

調停委員会は、事件が性質上調停をするのに適当でないと認められるとき、又は当事者が不当目的で調停の申立をしたと認めるときは、調停をしないことができます。

調停をしない措置に対して、不服申立を許す規定はないので、即時抗告は認められません。

調停委員会は、当事者間に合意が成立する見込がない場合又は当事者間に合意が成立した場合において、家庭裁判所が家事審判法23条の審判をしないときは、調停が成立しないものとして、事件を終了させることができます。



家事審判法第23条 

1.婚姻又は養子縁組の無効又は取消しに関する事件の調停委員会の調停において、当事者間に合意が成立し無効又は取消しの原因の有無について争いがない場合には、家庭裁判所は、必要な事実を調査した上、当該調停委員会を組織する家事調停委員の意見を聴き、正当と認めるときは、婚姻又は縁組の無効又は取消しに関し、当該合意に相当する審判をすることができる。
2.前項の規定は、協議上の離婚若しくは離縁の無効若しくは取消し、認知、認知の無効若しくは取消し、民法第773条の規定により父を定めること、嫡出否認又は身分関係の存否の確定に関する事件の調停委員会の調停について準用する。


調停不成立として事件を終了させる処分は審判ではないので、これに対して即時抗告又は非訟事件手続法による抗告をすることができません。

また、裁判所書記官が家事審判規則141条に基づき当事者に対して行なう通知も調停手続における審判に該当しないので、同様に解されます。

家事審判規則第百四十一条 

第百三十八条又は第百三十八条の二の規定により事件が終了したとき、又は法第二十五条第二項の規定により審判が効力を失つたときは、裁判所書記官は、当事者に対し、遅滞なく、その旨を通知しなければならない。


推定相続人廃除事件について調停が成立しない場合には、調停の申立の時に審判の申立があったものとみなされます。

調停不成立の場合には、調停の申立人が、改めて審判の申立をするまでもなく、事件は当然に審判手続に移行します。

遺言執行者が推定相続人の廃除を求める審判手続きにおいて、廃除を求められていない推定相続人が利害関係人として審判手続きに参加した場合に、その参加人は廃除の申立を却下する審判に対して即時抗告をすることができません。

推定相続人廃除の調停が成立したときは、裁判所書記官は、遅滞なく廃除された者の本籍地の戸籍事務管掌者にその旨を通知しなければなりません。

推定相続人廃除の調停が成立したときは、申立人は、調停成立の日から10日以内に、その旨を届け出なければなりません。

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