推定相続人廃除審判の効果
推定相続人廃除の審判が確定した場合、被廃除者は被相続人の死亡時に遡って遺産につき何らの相続権を有しないこととなります。
被廃除者の債権者が被廃除者に対する貸金債権に基づき、被相続人の死後、廃除審判確定前に同人名義不動産につき共同相続人名義の相続登記、被廃除者の共有持分につき仮差押登記及び強制競売開始決定に基づく差押登記をしても、差押の対象たる権利が遡及的に消滅して、同債権者は実質的無権利者となったとされます。
この場合、被相続人が他の共同相続人に本件不動産を遺贈してるときは、遺贈との関係で被廃除者の債権者は民法177条の「第三者」に当たらないので、受遺者は登記なくして債権者に対抗することができます。
民法第117条
1. 他人の代理人として契約をした者は、自己の代理権を証明することができず、かつ、本人の追認を得ることができなかったときは、相手方の選択に従い、相手方に対して履行又は損害賠償の責任を負う。
2. 前項の規定は、他人の代理人として契約をした者が代理権を有しないことを相手方が知っていたとき、若しくは過失によって知らなかったとき、又は他人の代理人として契約をした者が行為能力を有しなかったときは、適用しない。
遺贈遺言の遺言執行者は、第三者異議の訴えにより、被廃除者の債権者による強制執行の排除を求めることができます。
廃除審判確定後、廃除届前の差押についても同様です。
親族関係については変動はありません。
被相続人の子が廃除によって、その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となります。
この場合、代襲相続人となる被相続人の直系卑属に限ります。
代襲者が、廃除によって、その代襲相続権を失った場合、民法887条2項の規定が準用されます。
民法第887条
1.被相続人の子は、相続人となる。
2.被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は第891条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。ただし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない。
3.前項の規定は、代襲者が、相続の開始以前に死亡し、又は第891条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その代襲相続権を失った場合について準用する。
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