特別養子縁組の判例




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特別養子縁組の判例

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特別養子縁組の判例

@子が生理上の父から認知を受けないまま特別養子となった場合、生理上の父は、この子を縁組後、離縁前に認知することはできません。

A夫の嫡出推定を受ける子が第三者の特別養子になった場合、この子に対する嫡出否認の訴えは認められません。

B夫の推定を受けないが、戸籍上、夫の嫡出子として届け出られている子が、第三者の特別養子になった後に親子関係不存在の訴えが認められるかについて、特別養子縁組前の父子関係不存在という過去の法律関係の不存在を確認すべき特段の事情のあるときに限って確認の利益があるとされます。

この特段の事情の例として、実父母の子と特別養子となった子との婚姻の届出が、戸籍上両者が縁組前に兄弟姉妹の関係にあるものとされていたことを理由に不受理とされたときに、両者の間に婚姻障害のないことを確定する場合が考えられるとされますが、親子関係において婚姻障害が問題となるのは法律上の親子関係についてであり、生理上の父から認知を受けないまま特別養子となった子をこの父が認知することができない以上確認の利益があるとはいえないから親子関係不存在確認の訴えは認められないとした事例がありました。



しかし、この判決は、上告審で、子を第三者の特別養子とする審判が確定した場合には、原則として、子の血縁上の父戸籍上の父と子の間の親子関係不存在確認を求める訴えの利益は消滅するが、この審判に準再審の事由があると認められるときは、この訴えの利益は失われないとするのが相当である。

子の血縁上の父であると主張する甲戸籍上の父と子との間の親子関係不存在確認を求める訴えを提起するなどしており、子を第三者の特別養子とする審判を担当する審判官も甲の上申を受けてそのことを知っていたにもかかわらず、この訴えの前に子を第三者の特別養子とする審判がされた場合において、甲が子の血縁上の父であるときは、甲について民法817条の6但し書きに該当するなどの特段の事情のない限り、右審判には、準再審の事由があるとして、差し戻されました。

民法第817条の6 

特別養子縁組の成立には、養子となる者の父母の同意がなければならない。ただし、父母がその意思を表示することができない場合又は父母による虐待、悪意の遺棄その他養子となる者の利益を著しく害する事由がある場合は、この限りでない。


第二次控訴審判決も、上告人には民法817条の6但し書きに該当する事由があり、本件審判に準再審の事由はないから、訴えの利益は消滅したと判断しました。

しかし、上告審は、原審の認定事実をもってしては、いまだ上告人が被上告人を虐待し又は悪意で遺棄したなどの但し書きに該当することが明白であるとすべき事由が存在するとはいえないから、これのみをもって直ちに本件の訴えの利益を否定するのは相当といえず、これと異なる見解にたって本件の訴えの利益を否定した原審の判断には、法令の解釈適用を誤った違法があるとして原審に差し戻しました。

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