遺言執行者の任務の判例
包括遺贈の遺言執行者は、遺贈登記申請の登記義務者になります。
しかし、包括遺贈者が生前に売却し、その移転登記が未了である土地の所有権移転登記の申請の代理権限を当然に有するものではないとされます。
遺言者甲は本件建物を所有していたが、公正証書遺言により、これを長女乙、次女丙に2分の1ずつ遺贈し、戊を遺言執行者に指定して死亡した場合、遺言執行者は相続による移転登記後、本件建物を占有している相続人三女丁に対してその明け渡しを請求することができます。
銀行が公正証書遺言により指定された遺言執行者の預金払戻請求を拒絶したことが違法であるとして、損害賠償(@預金払戻請求の翌日から払戻日までの間の払戻額に対する民事法定利率年5分に割合による金員、A預金払戻請求訴訟の弁護士費用)請求が認められた事例があります。
遺言執行者が財団法人設立準備のため設立準備委員会を組織し、本件株式を同委員長名義に名義書換申請手続をなさしめたことは遺言執行者の権限の範囲内に属する行為であるとして原審の判断を正当とした事例があります。
(遺言執行者の権利義務)
民法第1012条 遺言執行者は、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有する。
2 第644条から第647条まで及び第650条の規定は、遺言執行者について準用する。
(遺言の執行の妨害行為の禁止)
民法第1013条 遺言執行者がある場合には、相続人は、相続財産の処分その他遺言の執行を妨げるべき行為をすることができない。
無料法律相談はこちら
Amazonで相続を調べる
|
|