押印のない自筆証書遺言
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押印のない自筆証書遺言
押印のない自筆証書遺言は、一般に無効とされます。
しかし、遺言者の真意が証拠によって確認できる場合には、押印のない遺言を有効とした事例もあります。
これについては、よほどの特別の事情がある場合に限るとされています。
遺言者は本件自筆証書遺言書作成の約２年前に日本に帰化したが、「外国人の署名捺印及び無資力証明に関する法律」第１条によると、「法令の規定により署名捺印するべき場合に於いては外国人は署名するを以って足る」と規定されており、遺言者の日本への帰化前であれば本件遺言は当然有効であったとして捺印は不要であるとした事例があります。
この控訴審判決は、自筆証書遺言に押印を必要としたのは、わが国の一般的慣行を考慮した結果であり、この慣行になじまない者については、押印のない遺言書であっても要式性を緩和してこれを有効と解する余地を認め、欧文のサインが漢字による署名に比し遥かに偽造変造が困難であることは周知の事実であり、本件遺言者のごとく欧文のサインがあるものについては、押印を要件としなくても、遺言書の真正を危うくするおそれはほとんどないとして、本件遺言書を有効としました。
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