自筆証書遺言の共同遺言の禁止




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自筆証書遺言の共同遺言の禁止

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自筆証書遺言の共同遺言の禁止

2人以上の者が同一の証書で遺言をすることを共同遺言といいます。

例えば、夫婦が同じ遺言のなかで相互に遺贈しあう場合です。

共同遺言は、単独行為である遺言の本旨に反するばかりでなく、遺言の効力の発生時期などについて複雑な法律関係を生じさせたり、それぞれが自由に撤回できなくなったりして、真意が確保できなくなるおそれがでてくるため禁止されています。

(共同遺言の禁止)
民法第975条 遺言は、2人以上の者が同一の証書ですることができない。

(普通の方式による遺言の規定の準用)
民法第982条 第968条第2項及び第973条から第975条までの規定は、第976条から前条までの規定による遺言について準用する。


この共同遺言に当たる遺言は無効となります。



遺言書が甲1人によって作成されたものとしても右遺言書のうち乙の遺言部分のみを無効とし、甲の遺言部分を有効と解すべきものではなく、乙においてその死後甲から相続した財産を被告らに贈与するとの遺言がなされないとした場合、果たして甲がそれでも乙に対し全財産を贈与する旨の遺言をなしたか否かは極めて疑わしく、むしろ乙が被告らに遺産を贈与するとの遺言をなすが故に甲もまた乙に財産を相続せしめるとの遺言をしたと解されえるのであって、かかる場合のように一方の遺言が他方の遺言によって左右される可能性のある場合には共同遺言禁止の法意に照らし、自筆共同遺言書の作成がいずれによってなされた場合でも、民法975条の共同遺言に該当するものであるとして解し、被告の「遺言書は甲が単独で作成したものであるから甲の単独遺言として有効である」との主張を排斥して、遺言の全部が無効となるとした事例があります。

2人以上の者が自筆証書遺言をした場合、あるいは異なる人が別々に書いた2枚の遺言書が1通の封書に同封されている場合は、共同遺言ではありません。

本件遺言は、B5版の罫紙4枚を合したもので、各葉ごとの遺言者甲の印章による契印がされているが、その1枚目から3枚目までは、甲名義の遺言書の形式のものであり、4枚目は被上告人乙名義の遺言書の形式のものであって、両者は切り離すことができるというものである。

右事実関係において本件遺言は、民法975条によって禁止された共同遺言に当たらないとした原審の判断は、正当として是認できるとされています。

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