遺言執行者
遺言執行者とは、遺言が効力を生じた後に遺言の内容を実現することを職務として、遺言により指定された者又は家庭裁判所により選任された者をいいます。
遺言者は、遺言で、1人又は数名の遺言執行者を指定し、又はその指定を第三者に委託することができます。
(遺言執行者の指定)
民法第1006条 遺言者は、遺言で、一人又は数人の遺言執行者を指定し、又はその指定を第三者に委託することができる。
2 遺言執行者の指定の委託を受けた者は、遅滞なく、その指定をして、これを相続人に通知しなければならない。
3 遺言執行者の指定の委託を受けた者がその委託を辞そうとするときは、遅滞なくその旨を相続人に通知しなければならない。
遺言執行者を指定する遺言は、遺言者が自らその意に沿う遺言執行者を定めたい場合になされます。
家庭裁判所が複数の遺言執行者を選任する場合は、遺言執行事務が複雑であったり、各相続人に対し公正な職務の執行を期待することができないおそれのある事実を肯定するに足る資料が必要とされます。
この場合、相続人に意見の相違がある遺言の解釈等については、遺言執行者は最終的に決定する権限を有するものではなく訴訟によって判断されるべきものであるから、このことは遺言執行者の増員を求める理由とするに足りないとされます。
未成年者及び破産者は、遺言執行者になることはできません。
(遺言執行者の欠格事由)
民法第1009条 未成年者及び破産者は、遺言執行者となることができない。
欠格事由のある者を遺言執行者に指定しても、その指定は無効です。
就職後に欠格事由が生じたときは、その時から当然にその資格を失います。
遺言執行者の欠格事由に成年被後見人、被保佐人とする規定は置かれておらず、遺言施行者に成年被後見人、被保佐人である者を指定する遺言は、当然無効ではなく、その地位喪失には家庭裁判所の解任審判が必要です。
遺言執行者がある場合、相続人は相続財産の処分その他遺言の執行を妨ぐべき行為をすることができません。
(遺言の執行の妨害行為の禁止)
民法第1013条 遺言執行者がある場合には、相続人は、相続財産の処分その他遺言の執行を妨げるべき行為をすることができない。
無料法律相談はこちら
Amazonで相続を調べる
|
|