遺言の撤回の効力
遺言者は、生存中ならいつでも随意に遺言成立の時から遺言が効力を生ずる時まで遺言撤回をすることができます。
撤回権者は、遺言者本人に限られます。
撤回権は行使上及び帰属上の一身専属的権利です。
代理人・承継人による撤回はできません。
撤回は必ずしも遺言の全部についてする必要はなく、一部についてもすることができます。
遺言者の意思が全部撤回か一部撤回かについて争いがあるときは、家庭裁判所の判断に従います。
撤回により遺言はその効力の発生が阻止されます。
阻止の効力がいつ発生するかについて、撤回も遺言の方式でされる以上その効力も遺言死亡の時に生ずるとする説と、撤回の性質上直ちにその効力を生ずるとする説とがあります。
両説の差異は、撤回の撤回が認められるかという点にあるとされます。
前者の場合、遺言者が死亡するまで撤回の効力は生じませんから、撤回の撤回が認められることになります。
しかし、後者の場合、撤回の効力は、遺言作成と同時に生じますから、撤回の撤回はできないことになります。
(遺言の効力の発生時期)
民法第985条 遺言は、遺言者の死亡の時からその効力を生ずる。
2 遺言に停止条件を付した場合において、その条件が遺言者の死亡後に成就したときは、遺言は、条件が成就した時からその効力を生ずる。
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