自筆証書遺言の方式に反する加除変更




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自筆証書遺言の方式に反する加除変更

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自筆証書遺言の方式に反する加除変更

自筆証書遺言の方式に反する加除変更は無効とされます。

遺言全部が無効になる場合もあります。

判例でも、不適式な日付の変更によって抹消部分が判読できないため、遺言全部を無効としています。

自筆証書遺言書の前半部分には民法967条2項の要式を満たさない加除変更があるが、加除変更の結果、当該部分につき本文自体が判読不可能となるなど部分的にせよ毀損されたものと同視できるような特段の事情は認められないから当初の遺言の効力には何ら変更を生じさせることなく、本文後半部分については、その内容は本文前半部分と抵触するから本文前半部分に対する加除変更とみるべきであるが、押印がない以上、民法968条2項所定の要式を満たさない加除変更であるから、これも本文前半部分の遺言の効力に影響を与えるものとはいえないと解した事例があります。

(自筆証書遺言)
第968条 自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。
2 自筆証書中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。




加除変更が僅少部分に止まり付随的補足的地位を占めるにすぎず、その部分を除外しても遺言の主要な趣旨が表現されている場合、方式違反のささいな字句の表現の訂正手続に瑕疵がある場合、遺言の効力に影響がないとされています。

遺言者が所有していた不動産は本件家屋とその敷地のみであり、その敷地面積は30坪であるから、遺言書に山林420坪とある記載は遺贈対象物件として明らかな誤記であり、これを抹消したからといって本件土地の一部を与えると変更した趣旨と解する余地はなく、また、右抹消は法定の方式を踏んでいないが、これによって、遺言を全面的に無効とすることは、かえって尊重すべき遺言者の意思を無視し、法の趣旨に反することとなるとした事例があります。

物件を特定するために加入された文言に方式違反があっても、もとの記載だけで、物件の特定が可能な場合には、遺言書自体の無効は来さないとした事例、死亡危急時遺言の方式に違反した加除変更部分(訂正変更箇所部分について立会い証人3名の署名押印を必要とするところ署名は全くなく、押印も2つしか存在しない箇所がある)だけを無効とし、同遺言の全部無効の主張を排斥した事例、被認知者の生年月日の訂正の付記に、方式違反があった場合、その訂正は無効であるが、被認知者の姓名・本籍等から判断して、被認知者の特定が可能であれば、遺言は有効であるとした事例があります。

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