公正証書遺言の署名押印不能




杉並区の行政書士



公正証書遺言の署名押印不能

スポンサードリンク
杉並区の行政書士遺言の知識>公正証書遺言の署名押印不能

公正証書遺言の署名押印不能

遺言者が署名することができない場合には、公証人がその事由を付記して署名に代えることができます。

(公正証書遺言)
民法第969条 公正証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。
1.証人2人以上の立会いがあること。
2.遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること。
3.公証人が、遺言者の口述を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせ、又は閲覧させること。
4.遺言者及び証人が、筆記の正確なことを承認した後、各自これに署名し、印を押すこと。ただし、遺言者が署名することができない場合は、公証人がその事由を附記して、署名に代えることができる。
5.公証人が、その証書は前各号に掲げる方式に従って作ったものである旨を附記して、これに署名し、印をおすこと。


署名できない場合とは、無筆の場合、盲目の場合、身体障害で字の書けない場合などです。

遺言者が入院加療中、重症のために署名が著しく困難な場合にもこの特則が認められます。

遺言者が署名を試みたところ、手の震えのために所定の行間に収まらず、判読不能の場合に民法969条但書の規定の適用が認められた事例があります。



また、遺言者は自己の右手を公証人に差し出し、書名が不可能であることを伝えたので、公証人は、前記「左に署名押印する」との文字を削除しその脇に「遺言者は手指傷のため署名できないので本公証人左に代わって署名し遺言者これに押印し、証人は各自署名押印する」と書き、遺言者の氏名を記載し、その名下に遺言者をして押印させ、次いで証人両名から署名押印を受けて、本件公正証書を完成させた場合、公証人は自己の知見に基づき、合理的裁量の範囲内で、遺言者が自ら署名することが可能か否かを判定する権能を有しているものとされます。

遺言当時、遺言者は脳血栓後の片麻痺がある左手を右手でかばっていた状態であったが、右手は、麻痺はなく、食事は自分で箸を使い、字を書く気になれば書けたし、コップが持てたし、鉛筆も持てたなど、自由に使うことができた場合、遺言者が自ら署名するについて特別支障があったとは認め難いから、本件遺言公正証書に公証人が遺言者に代わって署名の代署をしたことが、民法969条4号但書にいう遺言者が署名することができない場合に該当しないとして、遺言無効確認の判決をしました、

署名不能の場合の特則は、証人については適用されませんから、自署のできない者は証人になることができません。

無料法律相談はこちら


Amazonで相続を調べる
カテゴリ
自筆証書遺言の訂正
自筆証書遺言の加除変更の判例
自筆証書遺言の方式に反する加除変更
自筆証書遺言の加除変更等
成年被後見人の自筆証書遺言
成年被後見人の遺言の立会人
自筆証書遺言の遺贈の対象
自筆証書遺言の財産処分の意思
自筆証書遺言の遺言の抵触
自筆証書遺言の遺言事項
自筆証書遺言の遺言能力
老人性痴呆者の遺言の有効
老人痴呆者の遺言の無効
制限能力者の遺言能力
自筆証書遺言の自書
自書でない自筆証書遺言
他人が補助した自筆証書遺言
自筆証書遺言の日付の自書
自筆証書遺言の日付の不実記載
自筆証書遺言の日付の封筒記載
自筆証書遺言の氏名の自書
自筆証書遺言の押印
自筆証書遺言の押印の場所
押印のない自筆証書遺言
自筆証書遺言の作成
自筆証書遺言の人の特定
自筆証書遺言の相続財産の特定
自筆証書遺言で遺言執行者に一任
自筆証書遺言の「相続させる」旨
相続させる遺言と遺贈遺言
自筆証書遺言の共同遺言の禁止
自筆証書遺言の封筒と封印
公正証書遺言の要件
公正証書遺言の証人の立会い
公正証書遺言作成中の証人の立会い
公正証書遺言の欠格証人の立会い
公正証書遺言の口授
公正証書遺言の口授の判例
公正証書遺言の口授の判例2
公正証書遺言の口授の判例3
公正証書遺言の口授の判例4
公正証書遺言の口授の筆記
公正証書遺言の承認と署名押印
公正証書遺言の署名押印不能
公正証書遺言の押印
公正証書遺言の公証人の付記
公正証書遺言の一般的記載事項
公正証書遺言の作成手続
公正証書遺言の効力
公正証書遺言と国家賠償
秘密証書遺言の要件
秘密証書遺言の署名と押印と封印
秘密証書遺言の公証人への申述
秘密証書遺言の封紙の日付と申述記載
秘密証書遺言の自筆証書遺言への転換
秘密証書遺言の封紙
死亡危急者遺言の要件
死亡危急者遺言の死亡の危急
死亡危急者遺言の証人3人以上
死亡危急者遺言の口授
死亡危急者遺言の口授の判例
死亡危急者遺言の口授の判例2
死亡危急者遺言の口授の判例3
死亡危急者遺言の筆記、読み聞かせ、閲覧
死亡危急者遺言の承認、署名押印
死亡危急者遺言の作成手続
死亡危急者遺言の確認
死亡危急者遺言の失効
死亡危急者遺言の確認審判
死亡危急者遺言の確認審判手続
死亡危急者遺言の確認と却下
船舶遭難者遺言の要件
船舶遭難者遺言の口頭遺言
船舶遭難者遺言の確認
伝染病隔離者遺言の要件
船舶隔絶地遺言の要件
在外日本人の遺言
遺言の撤回
遺言の法定撤回
抵触する遺言による撤回
抵触する生前行為による遺言撤回
遺言書の破棄による撤回
遺贈目的物の破棄による遺言撤回
遺言の撤回の効力
遺言の撤回の撤回
遺言の撤回の取消し
遺言の検認申立
遺言の検認手続
検認を経ない遺言執行
遺言書の隠匿
遺言書の隠匿の判例
遺言書の隠匿の判例2
遺言執行者
遺言執行者の執行妨害
遺言執行者のある場合とは
遺言執行者の第三者への抹消登記請求
遺言執行者と遺産分割協議
遺言執行者の同意を得た相続人の処分
遺言執行の判例
遺言執行の判例2
遺言執行者の適格
遺言執行者の任務
遺言執行者の任務の判例
遺言執行者の任務の判例2
遺言執行者指定の効果
遺言執行者指定の委託する遺言
遺言執行者指定の方式
免責事項
当サイトの情報を利用してトラブル等が発生しましても、管理人は一切責任を負うものではありませんのでよろしくお願いいたします。
Copyright (C)杉並区の行政書士All Rights Reserved