船舶隔絶地遺言の要件
船舶隔絶地遺言は、在船者遺言ともいい、この遺言は、船舶中に在って一般の人と連絡がとれない場合に認められる方式です。
(在船者の遺言)
民法第978条 船舶中に在る者は、船長又は事務員1人及び証人2人以上の立会いをもって遺言書を作ることができる。
船舶隔絶地遺言の作成要件は、次の4つです。
@船舶中にあるものであること。
船舶中である者であれば、乗務員のほか旅客でも、一時的に便乗した者でもこの方程式の遺言ができます。
A船長又は事務員1人及び証人2人以上の立会いがあること。
事務員とは、船員法に定められている船長以外の職員、航海士、機関長、機関士、通信長、通信士及び命令の定めるその他の海員です。
命令の定めるその他の海員とは、運航士、事務長、事務員、医師、その他航海士、機関士又は通信士と同等の待遇を受ける者です。
B遺言者が遺言書を作成すること。
遺言書は、遺言者の自書である必要はなく、他人が代筆してもよいとされます。
口頭遺言は許されないとされます。
C遺言者、筆者、立会人及び証人が署名押印すること。
船舶隔絶地遺言は、家庭裁判所による確認が行われないため関係者である遺言者、遺言書を他人が代筆した場合の筆者、立会人としての船長又は事務員及び証人は、各自遺言書に署名押印しなければなりません。
ただし、署名押印することができない者があるときは、立ち会った船長若しくは事務員又は証人がその事由を付記して、これに代えることができます。
(署名又は押印が不能の場合)
民法第981条 第977条から第979条までの場合において、署名又は印を押すことのできない者があるときは、立会人又は証人は、その事由を付記しなければならない。
署名できない者も証人となることができますが、付記を欠いた場合、遺言そのものが無効になるとされています。
日付の記載は要件ではありません。
船舶隔絶地遺言は、遺言者が普通方式の遺言をすることができるようになった時から6ヶ月間生存するときは、その効力がありません。
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