公正証書遺言の口授の判例 |
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公正証書遺言の口授の判例 |
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公正証書遺言の口授の判例 遺言者が疾病のため、言語明瞭を欠き、公証人の質問に対してうなずいたり、首を左右に振ったにすぎない程度の場合には口授があったとはいえません。 近親者が遺言者に誘導的な質問を発し、これに対して遺言者から公証人に聞取り難い程度の微弱な応答をしただけであるのにかかわらず、その応答の意味を公証人が近親者から伝達説明を受け、これに基づいて遺言書が作成された場合にも、口授を欠くとことになります。 長男が遺言と同じ内容のメモを公証人に渡し、公証人は公正証書用紙に清書した写しを遺言者に交付した上、1項ごとに区切って読み上げ、その都度遺言者はうなずいていたが、自ら遺言の趣旨を口授することはなかった場合も方式違反となるとされています。 遺言者の公証人に対する遺言の趣旨の口授を遺言の有効要件としているのは、口頭による意思の表明が遺言時における遺言者の真意を最もよく確かめ得るからであり、右口授は、文字どうり口頭による意思の表明にして、その表明は他から何らの影響を受けない、その真意につき疑義をさしはさむ余地のない自由にして自発的な表明に限るとして、本件遺言の場合、公証人は遺言者から口頭による遺言の趣旨を聴取することなく、直ちに予め被控訴人を通じて了知した遺言の趣旨を記載した草稿を読み上げ、既に強心剤を必要とする程度に心臓の衰弱をきたし身体の自由を失った遺言者がうなずくや、右書面に基づいて本件公正証書を作成し、自ら同人のために代署して捺印させたものであって、遺言者がうなずいたとしても、口頭による意思表明ではなく真意の表明につき疑いを入れる余地がないといえないので、この遺言は公証人に対する遺言の趣旨の口授を欠いた方式違反により効力を生じないとしました。 これと同様の過程で作成された遺言公正証書につき、過度に本件遺言に深い利害関係を有する他人の介在によって、民法969条が要求する「遺言の趣旨の口授」といえる程度の遺言者の言動があったと認めることは困難であり、他に遺言者が遺言の趣旨を口授したことを認めるに足りる証拠はないとして公正証書遺言無効確認の請求を認めた事例があります。 (公正証書遺言) 民法第969条 公正証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。 1.証人2人以上の立会いがあること。 2.遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること。 3.公証人が、遺言者の口述を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせ、又は閲覧させること。 4.遺言者及び証人が、筆記の正確なことを承認した後、各自これに署名し、印を押すこと。ただし、遺言者が署名することができない場合は、公証人がその事由を附記して、署名に代えることができる。 5.公証人が、その証書は前各号に掲げる方式に従って作ったものである旨を附記して、これに署名し、印をおすこと。 また、公証人は既に本件遺言部分が記載された書面と本件遺言公正証書に添付された図面を持っていたこと、そこで公証人は、右書面に記載された内容を順番に読み上げるとともに右図面上で土地を分割する線を示して遺言者に本件遺言の内容を確認したこと、これに対して遺言者は「それでよい」と言ったこと、その後、本件遺言公正証書が作成された場合、遺言者が右書面や図面の作成に自ら関与するなどして本件遺言の内容を予め十分承知していたと認められる特段の事情がない限り、遺言者の右発言だけでは「口授」があったということができず、認定事実によると遺言者が本件遺言の内容を十分承知していたと認めることは困難であるとして、公正証書遺言が「口授」の要件を欠き無効であるとされた事例があります。 無料法律相談はこちら Amazonで相続を調べる |
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