相続税の相続財産の評価方法
相続税の課税価格となる相続財産の価額は、特別に定める場合を除き、当該財産の取得のときにおける時価によることになりますが、この時価とは、相続開始時における客観的な交換価値をいい、課税実務上は、財産の客観的な交換価値が必ずしも一義的に確定されないところから、相続財産の評価は相続財産評価の一般的基準が評価基本通達によって定められ、そこに定められた画一的な評価方法によってすることとされています。
しかし、経済的合理性なくして、被相続人によって相続開始直前に借り入れた資金で不動産を購入するという行為が行なわれた場合に、評価基本通達によってその不動産を評価すべきものとすると、右購入行為をしなかった場合に比べて相続税の課税価格に著しい差を生じ、当該不動産以外に多額の財産を保有している被相続人の場合には、結果としてその他の相続財産の課税価格が大幅に圧縮されることになり、この事態は、他に多額の財産を保有していないため、右のような方法により相続税負担の軽減という効果を享受する余地のない他の納税者との間での実質的な租税負担の公平を著しく害し、相続税の目的に反するから、このような場合、本件不動産の評価は評価基本通達によらないで、市場における客観的な交換価値によって評価することが許されるとした事例があります。
被相続人が死亡直前に購入資金を借り入れて購入した不動産につき、相続開始直後に相続人らが右不動産を売却し、その売却代金で右借入金債務を弁済した場合、右不動産の相続税課税価格を路線価によることなくその取得価額によって評価した相続税更正処分を適法とした事例があります。
相続により取得した財産の相続税の課税価格に算入すべき価額は、原則として
、相続により財産を取得した時における時価とされていますが、特例として、被相続人が相続開始3年以内に取得した不動産については、当該不動産の取得価額として政令で定めるものの金額を、相続税の課税価格に算入すべきものとされています。
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