後見人の事務




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後見人の事務

後見人が行なう事務については、民法853条から民法875条に規定されています。

そのうち、財産目録の調整の期間の伸長(民法853条)、後見人に対する報酬の付与(民法862条)、後見事務の監督(民法863条)、管理計算の期間の伸長(民法870条)は、家庭裁判所の審判事項となっています。

家庭裁判所は、何時でも、後見人に対し後見の事務の報告若しくは財産の目録の提出を求め、又は後見の事務若しくは財産の状況を調査することができます。

また、家庭裁判所は、後見監督人、被後見人若しくはその親族その他の利害関係人の請求によって、又は職権で、被後見人の財産の管理その他後見の事務について必要な処分を命ずることができます。



(財産の調査及び目録の作成) 
民法第853条 後見人は、遅滞なく被後見人の財産の調査に着手し、1箇月以内に、その調査を終わり、かつ、その目録を作成しなければならない。ただし、この期間は、家庭裁判所において伸長することができる。
2 財産の調査及びその目録の作成は、後見監督人があるときは、その立会いをもってしなければ、その効力を生じない。

(財産の目録の作成前の権限)
民法第854条 後見人は、財産の目録の作成を終わるまでは、急迫の必要がある行為のみをする権限を有する。ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。

(後見人の被後見人に対する債権又は債務の申出義務)
民法第855条 後見人が、被後見人に対し、債権を有し、又は債務を負う場合において、後見監督人があるときは、財産の調査に着手する前に、これを後見監督人に申し出なければならない。
2 後見人が、被後見人に対し債権を有することを知ってこれを申し出ないときは、その債権を失う。

(被後見人が包括財産を取得した場合についての準用)
民法第856条 前3条の規定は、後見人が就職した後被後見人が包括財産を取得した場合について準用する。

(未成年被後見人の身上の監護に関する権利義務)
民法第857条 未成年後見人は、第820条から第823条までに規定する事項について、親権を行う者と同一の権利義務を有する。ただし、親権を行う者が定めた教育の方法及び居所を変更し、未成年被後見人を懲戒場に入れ、営業を許可し、その許可を取り消し、又はこれを制限するには、未成年後見監督人があるときは、その同意を得なければならない。

(成年被後見人の意思の尊重及び身上の配慮)
民法第858条 成年後見人は、成年被後見人の生活、療養看護及び財産の管理に関する事務を行うに当たっては、成年被後見人の意思を尊重し、かつ、その心身の状態及び生活の状況に配慮しなければならない。

(財産の管理及び代表)
民法第859条 後見人は、被後見人の財産を管理し、かつ、その財産に関する法律行為について被後見人を代表する。
2 第824条ただし書の規定は、前項の場合について準用する。

(成年後見人が数人ある場合の権限の行使等)
民法第859条の2 成年後見人が数人あるときは、家庭裁判所は、職権で、数人の成年後見人が、共同して又は事務を分掌して、その権限を行使すべきことを定めることができる。
2 家庭裁判所は、職権で、前項の規定による定めを取り消すことができる。
3 成年後見人が数人あるときは、第三者の意思表示は、その一人に対してすれば足りる。

(成年被後見人の居住用不動産の処分についての許可)
民法第859条の3 成年後見人は、成年被後見人に代わって、その居住の用に供する建物又はその敷地について、売却、賃貸、賃貸借の解除又は抵当権の設定その他これらに準ずる処分をするには、家庭裁判所の許可を得なければならない。

(利益相反行為)
民法第860条 第826条の規定は、後見人について準用する。ただし、後見監督人がある場合は、この限りでない。

(支出金額の予定及び後見の事務の費用)
民法第861条 後見人は、その就職の初めにおいて、被後見人の生活、教育又は療養看護及び財産の管理のために毎年支出すべき金額を予定しなければならない。
2 後見人が後見の事務を行うために必要な費用は、被後見人の財産の中から支弁する。

(後見人の報酬)
民法第862条 家庭裁判所は、後見人及び被後見人の資力その他の事情によって、被後見人の財産の中から、相当な報酬を後見人に与えることができる。

(後見の事務の監督)
民法第863条 後見監督人又は家庭裁判所は、いつでも、後見人に対し後見の事務の報告若しくは財産の目録の提出を求め、又は後見の事務若しくは被後見人の財産の状況を調査することができる。
2 家庭裁判所は、後見監督人、被後見人若しくはその親族その他の利害関係人の請求により又は職権で、被後見人の財産の管理その他後見の事務について必要な処分を命ずることができる。

(後見監督人の同意を要する行為)
民法第864条 後見人が、被後見人に代わって営業若しくは第13条第1項各号に掲げる行為をし、又は未成年被後見人がこれをすることに同意するには、後見監督人があるときは、その同意を得なければならない。ただし、同項第1号に掲げる元本の領収については、この限りでない。
 
民法第865条 後見人が、前条の規定に違反してし又は同意を与えた行為は、被後見人又は後見人が取り消すことができる。この場合においては、第20条の規定を準用する。
2 前項の規定は、第121条から第126条までの規定の適用を妨げない。

(被後見人の財産等の譲受けの取消し)
民法第866条 後見人が被後見人の財産又は被後見人に対する第三者の権利を譲り受けたときは、被後見人は、これを取り消すことができる。この場合においては、第20条の規定を準用する。
2 前項の規定は、第121条から第126条までの規定の適用を妨げない。

(未成年被後見人に代わる親権の行使)
民法第867条 未成年後見人は、未成年被後見人に代わって親権を行う。
2 第853条から第857条まで及び第861条から前条までの規定は、前項の場合について準用する。

(財産に関する権限のみを有する未成年後見人)
民法第868条 親権を行う者が管理権を有しない場合には、未成年後見人は、財産に関する権限のみを有する。

(委任及び親権の規定の準用)
民法第869条 第644条及び第830条の規定は、後見について準用する。

(後見の計算)
民法第870条 後見人の任務が終了したときは、後見人又はその相続人は、2箇月以内にその管理の計算(以下「後見の計算」という。)をしなければならない。ただし、この期間は、家庭裁判所において伸長することができる。
 
民法第871条 後見の計算は、後見監督人があるときは、その立会いをもってしなければならない。

(未成年被後見人と未成年後見人等との間の契約等の取消し)
民法第872条 未成年被後見人が成年に達した後後見の計算の終了前に、その者と未成年後見人又はその相続人との間でした契約は、その者が取り消すことができる。その者が未成年後見人又はその相続人に対してした単独行為も、同様とする。
2 第20条及び第121条から第126条までの規定は、前項の場合について準用する。

(返還金に対する利息の支払等)
民法第873条 後見人が被後見人に返還すべき金額及び被後見人が後見人に返還すべき金額には、後見の計算が終了した時から、利息を付さなければならない。
2 後見人は、自己のために被後見人の金銭を消費したときは、その消費の時から、これに利息を付さなければならない。この場合において、なお損害があるときは、その賠償の責任を負う。

(委任の規定の準用)
民法第874条 第654条及び第655条の規定は、後見について準用する。

(後見に関して生じた債権の消滅時効)
民法第875条 第832条の規定は、後見人又は後見監督人と被後見人との間において後見に関して生じた債権の消滅時効について準用する。
2 前項の消滅時効は、第872条の規定により法律行為を取り消した場合には、その取消しの時から起算する。


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