特別代理人の追認
共同相続人7名の遺産分割協議の際、未成年者であった乙丙丁の各特別代理人としてABCがそれぞれ協議に参加し、甲が本件建物を取得したが、分割協議がなされ、協議書が作成された当時ABCは家庭裁判所による特別代理人としての選任がなされていなかった場合、右協議は乙丙丁につき無権代理人によってなされたものであり、ABCの協議は無権代理行為となりますが、このような場合でも、ABCが家庭裁判所の審判の結果、当該未成年者乙丙丁のため特別代理人として選任されたときは、その後においてその選任された特別代理人の参加のもとに改めて分割協議をすることがなくても、選任後特別代理人において従前なした分割協議を追認した場合には、これによって右分割協議は当初に遡って有効になるとし、本件ではABCが甲に印鑑証明書を交付したことが黙示の追認となり、これにより右協議は当初に遡って有効となったとした事例があります。
民法第826条
1. 親権を行う父又は母とその子との利益が相反する行為については、親権を行う者は、その子のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない。
2. 親権を行う者が数人の子に対して親権を行う場合において、その一人と他の子との利益が相反する行為については、親権を行う者は、その一方のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない。
民法第20条
1 制限行為能力者(未成年者、成年被後見人、被保佐人及び第17条第1項の審判を受けた被補助人をいう。以下同じ。)の相手方は、その制限行為能力者が行為能力者(行為能力の制限を受けない者をいう。以下同じ。)となった後、その者に対し、1箇月以上の期間を定めて、その期間内にその取り消すことができる行為を追認するかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。この場合において、その者がその期間内に確答を発しないときは、その行為を追認したものとみなす。
2 制限行為能力者の相手方が、制限行為能力者が行為能力者とならない間に、その法定代理人、保佐人又は補助人に対し、その権限内の行為について前項に規定する催告をした場合において、これらの者が同項の期間内に確答を発しないときも、同項後段と同様とする。
3 特別の方式を要する行為については、前2項の期間内にその方式を具備した旨の通知を発しないときは、その行為を取り消したものとみなす。
4 制限行為能力者の相手方は、被保佐人又は第17条第1項の審判を受けた被補助人に対しては、第1項の期間内にその保佐人又は補助人の追認を得るべき旨の催告をすることができる。この場合において、その被保佐人又は被補助人がその期間内にその追認を得た旨の通知を発しないときは、その行為を取り消したものとみなす。
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