遺産分割協議書の作成の必要性
遺産分割の協議が成立したとき、必ずしも、遺産分割協議書を作成することを要しません。
共同相続人の間で、法定相続分の割合で遺産を分割する趣旨の合意が黙示的に成立し、遺産分割の協議が調っていたことを認めた事例があります。
しかし、遺産分割協議書を作成しておくと、合意が成立したことを証明する有力な資料となります。
相続人の指印のある「覚書」が遺産分割協議として真正に成立したことの確認を求めた訴えが却下された事例があります。
協議書を作成する場合には、その合意の内容を具体的かつ正確に記載するとともに、その真正を担保するために、当事者がそれぞれ署名又は記名し、印鑑登録をしたいわゆる実印を用いて押印します。
遺産分割協議により被相続人名義の不動産の所有権を取得した共同相続人の1人は単独で相続登記を申請することができますが、その登記申請書には、他の共同相続人の印鑑証明書を添付しなくてはなりません。
他の共同相続人が印鑑証明書の交付を拒んでいる場合にはこれに対して相続による所有権移転登記手続を求めることができこの判決を添付して相続登記を申請します。
数次相続における亡き甲から亡き乙への所有権移転を証明する唯一の資料がその記載内容から遺産分割協議書である場合、亡き甲の相続人と亡き乙の相続人との間にはこの協議書の成立の真否について確認の利益があり、相続登記をするのに必要な協議をした他の相続人の印鑑証明書を得られないときは、これに代えて、遺産分割協議が真正に成立したことを確認する判決を添付して相続登記申請をすることができます。
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