被保佐人の行為の取消禁止
制限能力者が能力者たることを信ぜしめるため、詐術を用いたときは、その行為を取消すことはできません。
(制限行為能力者の詐術)
民法第21条 制限行為能力者が行為能力者であることを信じさせるため詐術を用いたときは、その行為を取り消すことができない。
無能力者であることを黙秘することは、無能力者の他の言動と相まって、相手方を誤信させ、又は誤信を強めたものと認められるときには、民法20条にいう「詐術」にあたるが、黙秘することのみでは右詐術に当たらないとされます。
(制限行為能力者の相手方の催告権)
民法第20条 制限行為能力者(未成年者、成年被後見人、被保佐人及び第17条第1項の審判を受けた被補助人をいう。以下同じ。)の相手方は、その制限行為能力者が行為能力者(行為能力の制限を受けない者をいう。以下同じ。)となった後、その者に対し、1箇月以上の期間を定めて、その期間内にその取り消すことができる行為を追認するかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。この場合において、その者がその期間内に確答を発しないときは、その行為を追認したものとみなす。
2 制限行為能力者の相手方が、制限行為能力者が行為能力者とならない間に、その法定代理人、保佐人又は補助人に対し、その権限内の行為について前項に規定する催告をした場合において、これらの者が同項の期間内に確答を発しないときも、同項後段と同様とする。
3 特別の方式を要する行為については、前2項の期間内にその方式を具備した旨の通知を発しないときは、その行為を取り消したものとみなす。
4 制限行為能力者の相手方は、被保佐人又は第17条第1項の審判を受けた被補助人に対しては、第1項の期間内にその保佐人又は補助人の追認を得るべき旨の催告をすることができる。この場合において、その被保佐人又は被補助人がその期間内にその追認を得た旨の通知を発しないときは、その行為を取り消したものとみなす。
無能力者が詐術を用いたものとして取消権が否定された事例があります。
1人暮らしの老人がした自宅の土地建物を担保にした根抵当権設定契約を詐欺によるものとして取消を認めて、根抵当権設定登記の抹消を命じた事例があります。
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