隣地との境界確定
遺産である土地と他人所有土地との境界が確定しないため、遺産の分割ができない場合があります。
このような場合の隣地との境界確定訴訟は、共同相続人全員が原告となり、隣地所有者を被告とする固有必要的共同訴訟ですが、共同相続人の一部が原告となることに同調しないときは、その者を二次被告とする三者間の三面訴訟となると解した事例があります。
(境界標の設置)
民法第223条 土地の所有者は、隣地の所有者と共同の費用で、境界標を設けることができる。
(境界標の設置及び保存の費用)
民法第224条 境界標の設置及び保存の費用は、相隣者が等しい割合で負担する。ただし、測量の費用は、その土地の広狭に応じて分担する。
(境界標等の共有の推定)
民法第229条 境界線上に設けた境界標、囲障、障壁、溝及び堀は、相隣者の共有に属するものと推定する。
民法第230条 一棟の建物の一部を構成する境界線上の障壁については、前条の規定は、適用しない。
2 高さの異なる二棟の隣接する建物を隔てる障壁の高さが、低い建物の高さを超えるときは、その障壁のうち低い建物を超える部分についても、前項と同様とする。ただし、防火障壁については、この限りでない。
(境界線付近の建築の制限)
民法第234条 建物を築造するには、境界線から50センチメートル以上の距離を保たなければならない。
2 前項の規定に違反して建築をしようとする者があるときは、隣地の所有者は、その建築を中止させ、又は変更させることができる。ただし、建築に着手した時から1年を経過し、又はその建物が完成した後は、損害賠償の請求のみをすることができる。
民法第235条 境界線から1メートル未満の距離において他人の宅地を見通すことのできる窓又は縁側(ベランダを含む。次項において同じ。)を設ける者は、目隠しを付けなければならない。
2 前項の距離は、窓又は縁側の最も隣地に近い点から垂直線によって境界線に至るまでを測定して算出する。
(境界線付近の建築に関する慣習)
民法第236条 前2条の規定と異なる慣習があるときは、その慣習に従う。
(境界線付近の掘削の制限)
民法第237条 井戸、用水だめ、下水だめ又は肥料だめを掘るには境界線から2メートル以上、池、穴蔵又はし尿だめを掘るには境界線から1メートル以上の距離を保たなければならない。
2 導水管を埋め、又は溝若しくは堀を掘るには、境界線からその深さの2分の1以上の距離を保たなければならない。ただし、1メートルを超えることを要しない。
(境界線付近の掘削に関する注意義務)
民法第238条 境界線の付近において前条の工事をするときは、土砂の崩壊又は水若しくは汚液の漏出を防ぐため必要な注意をしなければならない。
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