不在者の財産管理人の権限外行為
不在者の財産管理人が民法103条に定められた権限を越える行為をするとき、又は不在者が置いた委任管理人が、不在者の生死不分明の場合に不在者が定めた権限を超える行為をするときは、いずれも家庭裁判所の許可を得てこれをしなければなりません。
(権限の定めのない代理人の権限)
民法第103条 権限の定めのない代理人は、次に掲げる行為のみをする権限を有する。
1.保存行為
2.代理の目的である物又は権利の性質を変えない範囲内において、その利用又は改良を目的とする行為
(管理人の権限)
民法第28条 管理人は、第103条に規定する権限を超える行為を必要とするときは、家庭裁判所の許可を得て、その行為をすることができる。不在者の生死が明らかでない場合において、その管理人が不在者が定めた権限を超える行為を必要とするときも、同様とする。
民法103条が規定する「保存、利用、改良行為」は、管理行為の1つの例示であり、これのみならず、管理に必要な他の行為、例えば「期限の到来した債務の弁済行為」などを含み、不在者財産管理人が不在者の負担する不動産の所有権移転登記申請手続きに応ずることは、単なる「義務の履行」であり、民法103条所定の権限内の行為として権限外行為に当たらないと解されます。
権限を越える行為とされる例は、次のようなものになります。
@売買・交換
A抵当権の設定
B賃借権の設定・更新
C遺産分割
遺産分割協議を許可するというやり方と遺産分割協議書を審判書に引用して遺産分割を許可するというやり方とがあります。
D訴訟行為
選任管理人は、応訴については保存行為として裁判所の許可を要しませんが、訴えの提起については許可を要します。
委任管理人については、特別の定めのない限り委任事務に関し、一切の裁判上又は裁判外の行為をなす代理権限を有します。
E相続放棄
F扶養料の支払
財産管理人の権限に属するものとされる行為の例は、次になります。
@不在者本人が売却した不動産の所有権移転登記手続き
A期限の到来した債務の弁済
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