特別縁故者の遺言無効確認の訴え
被相続人には法定相続人がなくABに全遺産を遺贈する遺言を残して死亡した場合、特別縁故者に当たると主張する甲乙がABを被告として遺言無効確認の訴えを提起することの可否につき、最高裁は、甲乙が特別縁故者として相続財産の分与を受ける可能性があるとしても、特別縁故者として相続財産の分与を受ける権利は、家庭裁判所における審判によって形成される権利にすぎず、甲乙は右審判前に相続財産に対し私法上の権利を有するものではなく、遺言の無効確認を求める法律上の利益を有しないとして甲乙の請求を認めた第一審判決を取り消して、その訴えを却下しました。
「特別縁故者」たることを前提にして遺言無効確認請求をする場合、特別縁故者として財産分与を受ける可能性も存しない者は当事者適格を欠くとした事例があります。
特別縁故者に対する相続財産の分与)
民法第958条の3 前条の場合において、相当と認めるときは、家庭裁判所は、被相続人と生計を同じくしていた者、被相続人の療養看護に努めた者その他被相続人と特別の縁故があった者の請求によって、これらの者に、清算後残存すべき相続財産の全部又は一部を与えることができる。
2 前項の請求は、第958条の期間の満了後3箇月以内にしなければならない。
特別縁故者であることが明らかな原告は包括受遺者であることを主張する者に対して、包括遺贈が無効であること及びその他の相続人が明らかでないことを理由に相続財産が法人に属することの確認を求めることができるとした事例があります。
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