特別縁故者 被相続人と生計を同じくしていた者
被相続人と生計を同じくしていた者とは、例えば内縁関係にある配偶者や養親子のように生活関係は密接でありながら民法上は相続権を認められていない者を指すとされます。
被相続人と生計を同じくしていた内縁の妻又は事実上の養子が財産分与を請求した場合、家庭裁判所は、残余財産があり、かつ、申立人に欠格者に準ずる要件も認められないときは、相続財産を全く分与しないことは許されないとされます。
妻がありながら被相続人と17年余りにわたって同棲していた者を被相続人の特別縁故者として相続財産を分与することは、公序良俗に反する法律状態の延長ないし継続を認めるに等しく、民法90条、家事審判法1条に反するとして申立を認めなかった事例があります。
(公序良俗)
民法第90条 公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は、無効とする。
家事審判法第1条 この法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等を基本として、家庭の平和と健全な親族共同生活の維持を図ることを目的とする。
内縁の妻に分与した事例があります。
事実上の養子に分与した事例として、被相続人の祭祀を主宰する者につき、被相続人から養育看病されていた亡き妻の姪につき、被相続人の家業の見習としていた者につき、内縁の夫の養子につき、被相続人と同居することになっていた者につき分与した事例などがあります。
同居していた叔父、長男の妻に分与した事例があります。
(特別縁故者に対する相続財産の分与)
民法第958条の3 前条の場合において、相当と認めるときは、家庭裁判所は、被相続人と生計を同じくしていた者、被相続人の療養看護に努めた者その他被相続人と特別の縁故があった者の請求によって、これらの者に、清算後残存すべき相続財産の全部又は一部を与えることができる。
2 前項の請求は、第958条の期間の満了後3箇月以内にしなければならない。
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