限定承認の公告
限定承認者は限定承認に申述が受理されてから5日以内に、いっさいの相続債権者及び受遺者に対し、限定承認したこと及び定められた期間に請求の申出をすべきことと、期間内に申出をしないときは清算から除斥される旨を公告しなければなりません。
財産管理人の場合は、選任審判の告知を受けてから10日以内に公告しなければなりません。
(相続債権者及び受遺者に対する公告及び催告)
民法第927条 限定承認者は、限定承認をした後5日以内に、すべての相続債権者(相続財産に属する債務の債権者をいう。以下同じ。)及び受遺者に対し、限定承認をしたこと及び一定の期間内にその請求の申出をすべき旨を公告しなければならない。この場合において、その期間は、2箇月を下ることができない。
2 前項の規定による公告には、相続債権者及び受遺者がその期間内に申出をしないときは弁済から除斥されるべき旨を付記しなければならない。ただし、限定承認者は、知れている相続債権者及び受遺者を除斥することができない。
3 限定承認者は、知れている相続債権者及び受遺者には、各別にその申出の催告をしなければならない。
4 第1項の規定による公告は、官報に掲載してする。
知れたる債権者・受遺者には、各別に申出を催告します。
原告は、被相続人甲が金融を受けるためAに交付した約束手形につき手形上の権利を取得したとしてその支払を求めたが、甲は原告が正当な手形所持人でない(盗難)として支払を拒絶し、その後死亡したので、相続人は相続を限定承認しました。
管理人が原告に対し個別の請求申出の催告をしなかった点について、裁判所は、振出行為に欠けるところがない場合、その後手形が盗まれたにせよ振出行為が不成立又は無効となるものではないとしたうえで、甲が手形債務を争っている以上その相続人がこれにならうのは止むを得ないことで、その限定承認にあたり、原告を債権者と認めず、これに個別の債権申出の催告をしなかったのをとがめることはできないとし、民法927条2項にいう「知れたる債権者」とは、相続人が認めている債権者を意味し、相続人が認めない原告のような債権者には、個別に申出を催告する必要はないと解しました。
原告は、公告の催告期間内に債権の申出をしていないから、次の者に弁済した残りの財産についてのみその権利を行なうことができるとしました。
@催告期間内に申し出た債権者、受遺者
A申出なくとも相続人に知れた債権者、受遺者
B特別担保権者
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