限定承認の取消し |
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杉並区の行政書士>相続の知識5>限定承認の取消し | |
限定承認の取消し 相続の限定承認は、家庭裁判所が申述を受理したときに効力を生じ、限定承認者は、民法915条1項の期間内であっても、これを撤回することができません。 しかし、限定承認に民法総則編及び親族編に定める取消事由のある場合には、これを取消すことができます。 (相続の承認又は放棄をすべき期間) 民法第915条 相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。 2 相続人は、相続の承認又は放棄をする前に、相続財産の調査をすることができる。 (相続の承認及び放棄の撤回及び取消し) 民法第919条 相続の承認及び放棄は、第915条第1項の期間内でも、撤回することができない。 2 前項の規定は、第1編(総則)及び前編(親族)の規定により相続の承認又は放棄の取消しをすることを妨げない。 3 前項の取消権は、追認をすることができる時から6箇月間行使しないときは、時効によって消滅する。相続の承認又は放棄の時から10年を経過したときも、同様とする。 4 第2項の規定により限定承認又は相続の放棄の取消しをしようとする者は、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。 @総則編の規定による取消事由は、次になります。 未成年者が法定代理人の同意を得ないでした場合 成年被後見人本人がした場合 被保佐人が保佐人の同意又はこれに代わる家庭裁判所の許可を得ないでした場合 詐欺又は強迫によってした場合 A親族編の規定による取消事由は、次になります。 後見人が被後見人に代わって民法13条1項に掲げる行為をし、又は未成年被後見人がこれをすることに同意するには、後見監督人があるときは、その同意を得なければなりません。 (保佐人の同意を要する行為等) 民法第13条 被保佐人が次に掲げる行為をするには、その保佐人の同意を得なければならない。ただし、第9条ただし書に規定する行為については、この限りでない。 1.元本を領収し、又は利用すること。 2.借財又は保証をすること。 3.不動産その他重要な財産に関する権利の得喪を目的とする行為をすること。 4.訴訟行為をすること。 5.贈与、和解又は仲裁合意(仲裁法(平成15年法律第138号)第2条第1項に規定する仲裁合意をいう。)をすること。 6.相続の承認若しくは放棄又は遺産の分割をすること。 7.贈与の申込みを拒絶し、遺贈を放棄し、負担付贈与の申込みを承諾し、又は負担付遺贈を承認すること。 8.新築、改築、増築又は大修繕をすること。 9.第602条に定める期間を超える賃貸借をすること。 2 家庭裁判所は、第11条本文に規定する者又は保佐人若しくは保佐監督人の請求により、被保佐人が前項各号に掲げる行為以外の行為をする場合であってもその保佐人の同意を得なければならない旨の審判をすることができる。ただし、第9条ただし書に規定する行為については、この限りでない。 3 保佐人の同意を得なければならない行為について、保佐人が被保佐人の利益を害するおそれがないにもかかわらず同意をしないときは、家庭裁判所は、被保佐人の請求により、保佐人の同意に代わる許可を与えることができる。 4 保佐人の同意を得なければならない行為であって、その同意又はこれに代わる許可を得ないでしたものは、取り消すことができる。 相続の限定承認はこれに該当します。 後見人が民法864条の規定に違反して又は同意を与えた限定承認は、被後見人又は後見人が取消すことができます。 (後見監督人の同意を要する行為) 民法第864条 後見人が、被後見人に代わって営業若しくは第13条第1項各号に掲げる行為をし、又は未成年被後見人がこれをすることに同意するには、後見監督人があるときは、その同意を得なければならない。ただし、同項第1号に掲げる元本の領収については、この限りでない。 取り消しについては、民法121条から126条までの規定が準用されます。 (取消しの効果) 民法第121条 取り消された行為は、初めから無効であったものとみなす。ただし、制限行為能力者は、その行為によって現に利益を受けている限度において、返還の義務を負う。 (取り消すことができる行為の追認) 民法第122条 取り消すことができる行為は、第120条に規定する者が追認したときは、以後、取り消すことができない。ただし、追認によって第三者の権利を害することはできない。 (取消し及び追認の方法) 民法第123条 取り消すことができる行為の相手方が確定している場合には、その取消し又は追認は、相手方に対する意思表示によってする。 (追認の要件) 民法第124条 追認は、取消しの原因となっていた状況が消滅した後にしなければ、その効力を生じない。 2 成年被後見人は、行為能力者となった後にその行為を了知したときは、その了知をした後でなければ、追認をすることができない。 3 前2項の規定は、法定代理人又は制限行為能力者の保佐人若しくは補助人が追認をする場合には、適用しない。 (法定追認) 民法第125条 前条の規定により追認をすることができる時以後に、取り消すことができる行為について次に掲げる事実があったときは、追認をしたものとみなす。ただし、異議をとどめたときは、この限りでない。 1.全部又は一部の履行 2.履行の請求 3.更改 4.担保の供与 5.取り消すことができる行為によって取得した権利の全部又は一部の譲渡 6.強制執行 (取消権の期間の制限) 民法第126条 取消権は、追認をすることができる時から5年間行使しないときは、時効によって消滅する。行為の時から20年を経過したときも、同様とする。 未成年後見人が未成年被後見人に代わって親権を行なう場合、民法864条の規定が準用されます。 限定承認の取消権は、追認を行なうことができる時から6ヶ月間行使しないとき、又は限定承認の時から10年を経過したとき時効によって消滅します。 無料法律相談はこちら Amazonで相続を調べる |
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