取得時効の自主占有の判例1
相続財産につき、共同相続人が単独所有者としての自主占有を取得したと認めた事例があります。
共同相続人Aは、
@被相続人夫婦と共同相続人Bとの養親子関係は法律上も解消したと考え、養母の死後は自己が唯一の相続人として本件不動産の単独所有者であると信じてこれを占有していたこと、
AAは養母の死後、本件不動産を自己一家の生活の本拠として使用収益し、その管理を行い、公租公課を含む一切の費用を支弁してきたこと、
B被相続人夫婦と共同相続人Bとの養子縁組は離縁となっていないものの、Bに***円が交付された以降は、事実上協議離縁に等しい状態になっており、B一家は養親一家とはほとんど全く没交渉に生活し、同家の動向には全く関心がなかったこと、
などの諸事情を総合すると、養母の死亡とともに開始されたAの本件不動産の占有を右不動産に対するAの単独所有の意思による自主占有と解しました。
そして、占有開始の際、AがBに対して単独所有の意思が表示されなくても前記事情に照らすと、自主占有と認めることに妨げはないし、また、BがAの占有に異議を述べなかったことに過失がなかったとの主張には、自主占有の成立を肯定する場合、常に右事実の存在を必要とするものではなく、本件の場合、前記@からBまでの事実関係の存在のみによって単独自主占有を認めるに妨げはないとしました。
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