相続債権者の相殺
被相続人AはB会社の代表取締役のところ、B会社はC銀行から融資を受け、Aはこれを連帯保証しC銀行に定期預金した。
Aが死亡し、その相続人が限定承認した後、C銀行が行なった貸金債権を自動債権、定期預金を受動債権とする相殺が争われた事案において、限定承認された相続財産である預金債権を受動債権とする貸金債権による相殺は、同債権が限定承認の申述前に取得され、債権債務に対立関係が生じていたものである場合には、限定承認の申述受理後であっても相殺適状に達した後にあっては、その対当額において相殺することができるとした事例があります。
相殺とは、相手に対して同種の債権をもっている場合に、双方の債務を対当額だけ消滅させることをいいいます。
相殺は当事者どちらかの一方的な意思表示によって行うことができ、その効果は相殺適状の時にさかのぼって生じます。
相殺する側の債権を自動債権、相殺される側の債権を受動債権といいます。
(相殺の要件等)
民法第505条 二人が互いに同種の目的を有する債務を負担する場合において、双方の債務が弁済期にあるときは、各債務者は、その対当額について相殺によってその債務を免れることができる。ただし、債務の性質がこれを許さないときは、この限りでない。
2 前項の規定は、当事者が反対の意思を表示した場合には、適用しない。ただし、その意思表示は、善意の第三者に対抗することができない。
無料法律相談はこちら
Amazonで相続を調べる
|
|