相続放棄の錯誤無効




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相続放棄の錯誤無効

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相続放棄の錯誤無効

相続を放棄した相続人の相続財産法人、会社、会社代表らに対する相続放棄無効を理由とする株主権確認請求に対して、

@相続人らは債務超過を理由に相続を放棄したが、実際には一般債権者からの借金はなく、株主の権利行使も誤った情報を誤信したもので相続放棄の申述には、要素の錯誤がある

A動機は家裁に表明されていたり、放棄により影響を受ける会社らに黙示的に表明されている、

B法律的素養のない相続人の誤信には重大な落ち度はない、

C錯誤の原因を作ったのは会社側であること、

その他の事情から相続放棄無効の主張は権利の濫用とはいえないとして、請求を認めた事例があります。

(錯誤)
民法第95条 意思表示は、法律行為の要素に錯誤があったときは、無効とする。ただし、表意者に重大な過失があったときは、表意者は、自らその無効を主張することができない。

本件相続放棄当時の相続人法定代理人母の内心の意思は、被相続人甲の遺産としてはローン残債務1000万円のある被相続人の居住建物とその敷地以外にみるべき積極財産はなく、本件損害賠償債権が相続対象となる認識がなく、3000万円に及ぶ多額の債務を子らが支払わなければならないから、その相続を放棄するというものであったが、実際には、それほど多額の債務は存在せず、また、多額の本件損害賠償債権があったのであるから、右内心の意思と申述との間に錯誤があり、その不一致は重要な部分にあるとして相続放棄は要素の錯誤により無効であるとした事例があります。



不動産以外に財産がないと信じて相続放棄をしたが、それ以外に相当の財産があることが判明したとして、要素の錯誤を理由とする相続放棄不申述無効確認請求に対して、相続放棄の取消については民法919条に規定があるに錯誤の場合には何の規定もないことを考えると、身分上の行為に錯誤のあった場合については身分関係の本質に鑑み、専らその表意者にその行為をなす意思があったか否かにより決すべきであり、民法95条の適用があることを前提として相続放棄の無効を主張することはできないとしました。

そして、原告らは相続放棄の何であるかを知ってこの行為をしたことは否定できず、その意思がなかったとは認められないとして、請求を棄却した事例があります。

(相続の承認及び放棄の撤回及び取消し)
民法第919条 相続の承認及び放棄は、第915条第1項の期間内でも、撤回することができない。
2 前項の規定は、第1編(総則)及び前編(親族)の規定により相続の承認又は放棄の取消しをすることを妨げない。
3 前項の取消権は、追認をすることができる時から6箇月間行使しないときは、時効によって消滅する。相続の承認又は放棄の時から10年を経過したときも、同様とする。
4 第2項の規定により限定承認又は相続の放棄の取消しをしようとする者は、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。


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