相続財産管理人の処分行為
被相続人名義の預金の払戻請求、貸金庫の開扉などは処分行為に該当しないと考えます。
被相続人の生前処分に基づく履行として、管理人が登記義務者として行なう不動産の所有権移転登記申請は家庭裁判所の許可は不要とされ、管理人が時効取得に基づく所有権移転登記の登記義務者となる行為は、その時効完成が相続開始の前後を問わず、管理人の権限内の行為であるとされています。
管理人が時効取得に基づく所有権移転登記の登記義務者となる行為については、その理由として、管理人が相続財産に属する債務の弁済をすることは、その権限内の行為であると解されるから、時効の完成が相続の前であると後であるとを問わず、時効取得に基づく所有権移転登記の登記義務者となる行為も、債務の弁済に準じ、管理人の権限内の行為として、家庭裁判所の許可を受けることを要しないとされています。
ただし、管理人としては、相続財産管理の趣旨に従い、善良なる管理者の注意をもって管理事務を処理する義務を負い、もしこの義務に違反したときにはその責任を追求されることになるので、時効完成の有無及び時効中断の必要性の判断をするについては、特に慎重でなければならないとされています。
このような場合、管理人は明白な資料があるとき家庭裁判所の指示を求めたうえで、応ずべきか否かを決定し、もし、関係資料がないときは、裁判手続でその権利関係を確定します。
相続財産に関しては、相続人が確定した時、管理人が選任された時又は破産手続開始の決定があった時から6ヶ月が経過するまでの間は、時効は、完成しません。
(相続財産に関する時効の停止)
民法第160条 相続財産に関しては、相続人が確定した時、管理人が選任された時又は破産手続開始の決定があった時から6箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。
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