取得時効の自主占有の判例2
被相続人(養親)に前婚の子のあることを全く知らなかった養子が相続の時から遺産である不動産の自主占有を取得し、被相続人死亡の時から10年の経過により、時効による所有権を取得したことを認めた事例があります。
甲乙はAの子、乙はBの養子で、甲乙AはB所有の本件建物に居住していたが、乙は結婚して別居し、Bは昭和40年2月に死亡し、乙が本件建物を単独相続したが、甲Aらの家族は本件建物に居住を続け、Aは昭和40年8月に本件建物に敷地を地主から買い受け、昭和51年11月にAは死亡して甲が遺産を単独相続し、昭和62年に起こった本件建物所有権につき乙の相続による取得、甲の時効による取得が争われた事案で、Aの相続を新権原とする自主占有を認めて、甲の10年の時効取得を認めた事例があります。
(占有の性質の変更)
民法第185条 権原の性質上占有者に所有の意思がないものとされる場合には、その占有者が、自己に占有をさせた者に対して所有の意思があることを表示し、又は新たな権原により更に所有の意思をもって占有を始めるのでなければ、占有の性質は、変わらない。
上告人は、被相続人の死亡後、同人との婚姻を取消されたが、被相続人死亡の日に相続財産の占有を開始し、その後20年間継続しているところ、自己が被相続人の唯一の配偶者で3分の1の法定相続分を有するものとして占有を開始したものと見るべきであるから、被上告人らが他に上告人の占有が所有の意思のないものであることを基礎付ける事情を何ら主張していない本件においては、本件土地建物の各3分の1の持分を取得したと認めた事例があります。
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